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『血の轍』6巻 静子の洗脳による事実のすり替え【あらすじ感想・ネタバレ注意】

マンガ・アニメ感想

ヤッホの東です。
今回は『血の轍』第6集のことを、書いていきます。

作者は押見修造(おしみ しゅうぞう)さん。
『ビッグコミックスペリオール』にて
2017年から2023年にかけて連載されていた作品です。

どんな展開が待ってるんだって
ドキドキしながら見てたら
ついに母は息子へ
洗脳をかけ始めました。
恐ろしすぎる。。。

ネタバレがあるので
それでも良い人だけ進んでください。

あらすじ

田舎に暮らす長部家は、3人家族でした。
まるで恋人のようにして
静一に接してくる母の静子。
父の一郎は、物静かな人です。

由衣子との時間は
終わりを告げ、彼は静子の元へ戻ってきました。
プチ家出をしてしまった分の
お仕置きのようなものが待っていました。

 

登場人物

■長部 静一(おさべ せいいち)
中学2年生の主人公。
静ちゃん(せいちゃん)の
愛称で呼ばれています。

由衣子と一緒にいた時の
感覚を忘れないでほしい。
静子以外の人と
接する時間を増やすことが
彼の感覚を戻してくれる気がしています。

でないと手遅れになりそうなくらい
静一は知らずのうち、静子に追い込まれてました。

■長部 静子(おさべ せいこ)
静一の母親。
コロコロ変わる静子の様子。
多重人格って言葉を思い出す人でした。
彼女の静一への束縛が
エスカレートしていきます。。。

■長部 一郎(おさべ いちろう)
静一のお父さん。
お姉さん(しげるの母)に
もっと静一を見てあげてと
言われたことを覚えてるのかなって。

もしかしたら、一郎から静一を
静子が遠ざけているのかも。
そう思うくらいに
2人の時間が少なく見えます。

■吹石 由衣子(ふきいし ゆいこ)
静一と同じクラスの女の子。
彼女は、静一に
置き去りにされてから
どうなったのか。。。
第6集ではお休みです。

■三石 しげる(みついし しげる)
静一のいとこ。
ずっと入院していた彼が復活します。
どんな状態でも、嬉しかったです。

 

感想

帰ってきた静一、静子との会話はもう洗脳の域へ

感動の再会を予想した人はいるのかな。
ハッピーな頭をしてるって
言われる自分でも、想像がつきませんでした。

実際、会えた時は
暫く会ってなかったかのような
感想の再会シーンが待っています。
母、長部 静子
(おさべ せいこ)

息子の静一(せいいち)に抱きつき
彼は、静子に泣きながら
帰ってこなかったことを謝り始めました。

その時の彼女は優しく
静一に話しかけます。
自分のことを全部話すから
静一も全部話してと。
これを聞いた時
静子は心を入れ替えたのかなって思っていました。

静一が静子に問い詰めるように
なっていたから
ちゃんと話し合おうとしたのかなって。

けど、その会話は
まったく公平なものではなく
ただ静子が、静一を
大人しくさせるための刷り込みの時間に見えてた。

 

帰ってきた長部家は
ものが散乱してグチャグチャでした。
父の一郎(いちろう)
すごく心配していた様子。

落ち着いた頃、一郎には
外に出てもらい
なぜか2人で話しを始める静子。
洗脳タイムの始まりです。

いとこの三石しげる
(みついし しげる)

重症を負ったのは
静子が崖から突き落としたのが原因です。

それを彼女は
しげるが自分でバランスを崩して
落ちていったんだと
静一に話して聞かせるのでした。

涙を流しながらの
彼女の話しは、本当に
そう思えてしまいそうでした。

しげるが自分で
落ちていった、あの時のことをよく思い出してと。
本当のことを
思い出してと言う彼女の言葉は
呪文のようでした。

 

それを聞いた時
静一は苦しみから
解放されたような様子だった。

もし、しげるが自分から
落ちたのなら、静一は
こんなに苦しい思いをしなくていいわけで。

その時起きたことが
静子の言葉で、すり替わっていきます。

この時の静一は
嬉しそうな、けど抜け殻のような
何回か見たことのある、表情をしてた。

泣きながら、笑顔で目を見開いて
どこを見てるのか分からなくて
また彼が静子の方へ行った気がしました。

 

静子の尋問に続くアメとムチ

自分のことを話し終えたという静子。
何も本当のことを
話してない気がするんだけど。。。

それでも静子から静一に
昨日、どこで何をしてたかの
問い詰めが始まります。

彼の目は、見開かれることが
多すぎて、そのうちポーンと
飛んでっちゃうんじゃないかって思う。

何も言えないでいる静一に
トドメをさすようにして
彼のパンツを持ってきた静子。
それをチェックしてたことに
ヒエエエエエでした。笑

 

彼は怯えながら
由衣子との間にあったことを
言葉にして、漏らし始めます。
さっきまでの優しい静子はどこへ。
どんどん人が変わっていく
彼女の様子に、萎縮していく静一。

最後には、形相の崩れた
怖い女性になっていて。。。笑
雨の中、あれだけ
探していたはずの息子を
今度は、家の外へ締め出す母。
自分の息子が汚く見えたらしい。

そして彼女の機嫌を取るのに
必死な静一。
大切だったはずの由衣子を下げ
彼女を捨ててきたとまで言う
彼は、やっぱり元の静一じゃありませんでした。

 

ドアの前で、自分の息子が
雨の中、土下座をして
謝り続けている姿。
どうして、そんなことをさせるのか。
彼女が、理解できないでいます。

そして由衣子が嫌いだと
静一の口から言わせる静子。
静一は、また何を見ているのか
わからない目をしていて。
それが痛々しかった。

彼女の要望を飲むだけの
一方的な指切りをして
家に入れてもらえた静一。

その時には、怖い彼女は消えて
優しい姿に戻っていました。
これがアメとムチなのかと、恐ろしすぎでした。

 

意識を取り戻したしげる

がっちり静子に、おさえられている静一。
由衣子を捨て
一郎は除け者にされ
他に誰がと思っていた時
入院していたしげるの意識が
戻ったと、知らせを受けることになります。

静一は、静子をうかがいながらも
嬉しそうな。
静子は、変に明るくて
ちょっとゾワっとしました。
顔の筋肉が柔軟すぎてる。

 

病院へ向かう日、突然
爪にマニキュアを塗った静子。
ずっと笑みを浮かべている
彼女が何を考えているのか。
また悲しいことが
起きなければいいなと思います。

そして静一の事実が
すり替えられてしまった今
事件の真相を話せるのは、しげるだけです。

彼が、どこまで覚えているかがキーに。
そんな彼が、静子の話しを聞いて
言った一言が「ちょうちょ」でした。

あの日、静子の周りを
飛んでいた、ちょうちょです。
おしゃべり好きそうな
以前の彼の様子はなく
どこかフワフワとした、しげるがいました。

お願いだあああああ
みんなの前で証言してくれえええ
と思う自分がいます。

 

コミック6巻

 

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