アニメ1〜3期『魔法科高校の劣等生』優等生と劣等生の謎めいた兄妹による波乱の魔法物語
アニメ『魔法科高校の劣等生』を観てきました。
著者:佐島勤
イラスト:石田可奈
原作は番外編含め全33巻が電撃文庫より出版。
他にも続編や、主人公の異なるシリーズが続いています。
メカニックデザイン担当のジミー・ストーンが、放送中のアニメ3期の監督を。
他コミック化もされており、章ごと複数の方によって作画され、大きな展開を見せている作品です。
魔法がどんなものか、文章でイメージ、コミックで掴む、映像で全貌を見る。
3段階で楽しめます。
あらすじ
西暦2095年。
第三次世界大戦終結から35年後の日本。
魔法が現実の技術として使われるようになり
国の力とみなされている魔法師の養成学校、国立魔法大学附属第一高校。
そこに入学した司波達也(しば たつや/声:中村悠一)と妹の司波深雪(しば みゆき/声:早見沙織)。
深雪は入学試験で一位の優等生でしたが、達也は通常の魔法が使えない劣等生として描かれていきます。
優秀な生徒と、それ以外の生徒で分けられ、入学時から存在する派閥。
優等生、劣等生と区別されながらも、それ以上のもので繋がっていたのが司波兄妹でした。
ツッコミの止まらない兄妹愛を見せる彼らの入学から始まり
渦巻く陰謀はやがて、世界の軍事バランスをも崩しかねない事態へと発展していくことになります。
感想
物語が始まってすぐに発覚する深雪のブラコン。
そして感情の欠落した冷静沈着な達也にとっても、深雪は唯一彼を揺さぶることのできる存在です。
そんな2人のイチャイチャ。
さらに周りには可愛い女子が集まってきてと
鼻の下伸びてくスタートだったのが、徐々にそれどころじゃなくなっていきます。
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兄妹の謎や、彼らを取り巻く魔法の世界。
最初の入学編は、魔法を扱う彼らに慣れていくための序盤です。
そこでウィード(雑草)と蔑まれる立場にいた達也に感じる違和感。
続く章で彼らの度を超えた兄妹愛や、達也の真相に近づいていくことになります。
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兄妹を取り巻くもの。
そして達也の正体がなんなのか。
様々な事象を招き、多くの登場人物を惹きつける、謎めいた人物でした。
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またこの作品では魔法がフワッとしたものではなく
高度な技術によって更なる変貌を遂げようとしているものとして描かれています。
魔法といえば、呪文を唱えるシーンが思いつきますが
この作品ではCAD(魔法発動を簡略化するためのデバイス)に、その呪文が記録されているという。
呪文ではなく起動式と表現され、それが圧縮保存されているのがCAD。
魔法師に欠かせないアイテムです。
そして装着した魔法師から流れたサイオン(意志や思考を形にする情報素子)を展開したデータを信号化して魔法師の体内へ送る。
これが装置の役割でした。
最初はファンタジーと思って飛び込んだのが、進むほどにこの難しさはーってSF的な魔法の世界が広がっていきます。
そうした魔法の世界で、達也は何をもたらそうとしているのか。
彼の目指す常駐型重力制御魔法式熱核融合炉の実現がキーになって
目的を果たすため実験を行う達也。
魔法と科学の融合した世界観が、達也の存在と共に、作品の大きな魅力となっていました。
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これらが軸になって章ごとに続きながらも、独立したお話で描かれていきます。
途中、いい意味で予想を裏切られた時の高揚感。
達也が未来に何を成すのか、最後まで見たくなる作品です。
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