Disney+ドラマ『SHOGUN 将軍』敵、味方をも欺く虎永の壮大な謀り事【あらすじ感想】
Disney+で配信中のドラマ『SHOGUN 将軍』を観てきました。
ジェームズ・クラべルによる『将軍』の小説を基に
主演・プロデューサーを真田広之が務め、ハリウッド制作陣による壮大なスケールで描かれたドラマです。
またシーズン1の人気により、シーズン2と3までも制作が決定。
世界の注目を浴びている作品です。
あらすじ
1600年、関ヶ原の戦い前夜。
日本を統治していた太閤が死去し、選ばれた5人の大名による五大老が
太閤の息子が元服(成人を示すものとして行われる儀式)するまで国の平和を守ることを約束していました。
しかし太閤の願いは叶わず、ライバル関係にあった東の吉井虎永(真田広之)
西の石堂和成(平岳大)を中心に五大老の覇権争いが勃発。
(虎永は徳川家康が、石堂は石田三成がモデルになっている架空の人物。)
そこに巻き込まれたのが、イギリス人航海士のジョン・ブラックソーン(コスモ・ジャーヴィス/後の按針あんじん)でした。
彼はある使命と共にオランダ船にて航海をしていたものの、遭難の後辿り着いた場所は伊豆。
戦国の地に異国人の流れ着いたことが、彼らの命運を大きく変えることになります。
様々な陰謀渦巻く中、やがて按針は通詞の戸田鞠子(アンナ・サワイ)とともに
虎永による謀り事の欠けてはならない重要な人物となっていたのでした。
感想
繰り広げられる人間のドラマや争い、失っていった先で迎える最後の大波に持ってかれます。
誰もにとってイレギュラーな存在の按針。
それは日本人だけでなく、彼よりも先に日本に来ていたポルトガル人の商人やカトリック宣教師たちにとってもでした。
その頃、アジア圏の貿易を独占していたポルトガル人からすれば、プロテスタントのイギリス人は排除したい存在なはず。
当時ヨーロッパではカトリックとプロテスタントの宗教戦争が起きていた背景もあり
漂流した先で、按針はポルトガル人にも敵視されることになります。
そんな彼が、どうして生き延びることができたのか。
始まりは虎永の思惑あってのことでした。
・・・
按針が中心になって、物語が掻き回されているような場面が多いのですが
その背後には必ず虎永が。
他にもメインの登場人物の背後には、必ず彼の影があります。
全ては虎永の壮大な謀り事あってのことなのだと。
けど按針も、その盤上で彼自身の戦いを繰り広げていました。
そうして最後に辿り着いた答えや、何が按針を突き動かすことになるのか。
涙なしには観れないラストでした。
・・・
そして樫木藪重(浅野忠信)。
薮重も按針も色々と問題が起きても、何故か憎めない、そういう人物です。
なかでも薮重は、虎永に忠誠を誓いながら何度もころりころり。
按針とは違う存在感で、物語を掻き乱していました。
野心に満ちていた彼ですが、最後ばかりは
薮重ええええええ!と、どうにもならない感情が彼に向かって爆発ドカーン!でした。
・・・
宿命。
どんな人にも、一人ひとり背負っているものや生き方があります。
その絶対な答えなのかも分からないことに、命を懸けられるのか。
それだけの強さや覚悟をもった人が
男性だけでなく女性にも多く描かれています。
戦いで己の強さを示す男性陣。
対して女性はどんな境地に立たされても揺るがぬ、うちに秘めた芯の強さや美しさを兼ね備えていました。
鞠子、家族を亡くした宇佐見 藤(穂志もえか)、石堂の側にいる落葉の方(二階堂ふみ)など
想いが強ければ強いほど、その影響は計り知れず。
息子に、もう親子ではないと言われても
周りから猛反発を受けても、ただ一人その宿命を果たせるのか。
命運を握る女性に目から大雨でした。
配信