のほりひがし。 東の感想ブログ

映画『リメンバー・ミー』音楽が大好きなミゲルの繋ぐ家族の物語【あらすじ・考察】

ディズニー映画感想

ヤッホの東です。
今回は映画『リメンバー・ミー』について書いていきます。
死後の世界が描かれているものだけど
暗くてどんよりしたお話ではなく。
楽しくてリズム良く展開していく
物語が好きでした。
好奇心旺盛なミゲルの存在が大きかったです。

ネタバレがあるので
それでも良い人だけ進んでください。

作品情報

監督:リー・アンクリッチ
ピクサー・アニメーション・スタジオ製作
日本では2018年に公開され
ピクサーによる長編作品の、19作目にあたります。

原題は『Coco』
主人公のひいおばあちゃんの名前が、原題でした。
これは作品を、最後まで観ていけば納得です。
「彼女の名前」
「忘れないで・思い出して」
言葉を並べると、ジワァっとくるものがあります。
主題歌『リメンバー・ミー』の歌詞には
両方の言葉が使われていたので
タイトルも、両方の意味で取れるものでした。
映画を見終わった後には
ただの文字の羅列ではなく
誰かが話しかけているように、聞こえてくるはず。

 

あらすじ

12歳の少年、ミゲル・リヴェラが
死者の日に、やってはいけないことをしてしまいました。
それが原因で、ミゲルは生きている人には
見えない存在になってしまいます。
もとの状態に戻るべく
死者の国から戻ってきた
先祖たちと一緒に、人間に戻る為
ミゲルの頑張る姿が描かれています。

 

登場人物

■ミゲル
声:石橋陽彩

音楽が大好きな12歳の少年。
マリーゴールドの花が
風に吹かれて舞う様子と
ミゲルの走っている姿が
重なる時があった。

■ヘクター
声:藤木直人

死者の国で出会った人。
死者の日なのに
彼は、元の世界に帰れずにいました。
ブログには名前が出てこないけど
一緒に行動していくうちに
深まっていく様子が好きだった。

■ダンテ
元の世界で、ミゲルが
よく一緒に過ごしていた野良犬。
時々大丈夫かって
心配になる時があるけど
頼もしいワンちゃんだった。

■ママ・イメルダ
声:松雪泰子

ミゲルのひいひいおばあちゃん。
彼がこの世界にくる
1番のきっかけになった人。

■エルネスト・デラクルス
声:橋本さとし

ミゲルが憧れている
大人気ミュージシャン。
死後も、彼の存在を
多くのファンが覚えていました。

■エレナ
声:磯辺万沙

ミゲルのおばあちゃん。
リヴェラ家の中心人物です。
掟を守ろうとする気持ちが
強すぎてて、エエエってなってた。笑
ミゲルの好きなものに
真っ直ぐなところは
おばあちゃんの真っ直ぐさにも
似てるような気がした。

■ママ・ココ
声:大方斐紗子

いつも祭壇の前で
静かに座っているひいおばあちゃん。
おばあちゃんなのに
子供のように感じる
雰囲気があった。

 

感想

死者の日にかけられたミゲルの呪い


シネマカフェより出典

12歳の少年ミゲル・リヴェラ
人の体のまま
死者の国の存在になるという
体験をすることになります。

メキシコの街に、リヴェラ家は暮らしていました。
ミゲルにとっての
ひいおばあちゃん
(ママ・ココ)
も一緒で
4世代が暮らしている家族です。
その分、とても賑やかだった。

彼らが住んでいた場所には
念に一度、亡くなった人が
生者の国に帰ってこれる日がありました。
それが死者の日です。

先祖たちが唯一こちらへ、戻ってこれる時なのだそう。
なのでリヴェラ家も
死者を迎え入れる準備をしていました。
もちろん彼らに、先祖の姿は見えません。
それでも帰ってきているんだろうと
思いながら、過ごしてきたみたい。

そんな大切な日に、ミゲルが
今は亡き憧れのミュージシャン
エルネスト・デラクルスの
ギターを盗んだことで、物語が動いていきます。

墓地にある、彼の棺のそばでの出来事でした。

これをきっかけに
生きている人には見えず
こちらへ渡ってきた
死者の目にだけ映る存在に。
なんとか元に戻らねばと
帰ってきた先祖たちと一緒に
死者の国へ出発することになるのでした。

憧れの人がいるからって
死者が帰ってくる日に
墓地に忍び込むところ。
自分には怖くて絶対にできないと思った。笑
しかもギター拝借っていう。
もう一度書くけど
わざわざ帰ってくる日に。
ミゲルの、好きなものに向かって
一直線なところと
好きな気持ちはスゴイなって思いました。

 

もとに戻るための条件


シネマカフェより出典

ミゲルが、もとの状態に戻るには
家族の許しが必要でした。

それだけ!?ってミゲルも
驚いていたけど、もちろん自分も。笑
けど許すことって
人間関係では、すごく難しいことに感じる。
ミゲルの場合は
誰かに、うらまれるようなことを
してたわけじゃないから。
だからシンプルで簡単なことに感じました。

その許しを与える人物が
イメルダだったのが、なんとも。
理由はミゲルが
家の祭壇からイメルダの写真を
持ってきてしまっていたことにありました。
祭壇に写真が飾られていないと
死者は、こちらへ戻ってこれないのです。
おかげで彼女は、相当おこでした。
死者の日に、死者のものを盗んだ人は
こちらの世界に送られるのが
ルールなのだそう。

けどもし、ミゲルが祭壇から
彼女の写真を、取ってきてなかったとして。
それでも許しを与えるのは
彼女だったのかなと、考えてました。
家族なら誰でもいいのかな。
この日、ミゲルは
イメルダの写真
墓地に備えてあった食べ物
デラクルスのギターを取ってしまっています。

結局最後、マリーゴールドの花を通して
許しを与えるのは
ひいひいおじいちゃんと彼女でした。
もし家族でも
他の人がそれをしたら?
ミゲルは元に戻れたのかなって。
たらればの話だけど
家族の中でも、特に深い関わりに
あった人でなければ
意味がないんじゃないかなと思いました。

『リメンバー・ミー』は
悪役をやっつけたり
死んでしまった人たちが
解決できないでいた問題が
解消されていったり。
死んだ後にも隠されていた
それぞれの真実が見えてきたり。
そういう、クリアしていく
ポイントが1つだけじゃなくて
いくつも用意されているのが、好きなところです。

元の世界に戻るために
一歩ずつ階段を上っているような。
その感じが分かりやすくて
見終わった時、自分はそれだけでも
達成感を感じてました。
ほんと見てただけなんだけどね。笑

 

イメルダが決めた音楽禁止の掟


ディズニー公式より出典

ミゲルは音楽が大好きでした。
街のみんなも
音楽が好きな人ばかりです。
1歩外に出れば
音が鳴り響いてるような場所が
ミゲルの住んでいた所でした。
そこで音楽を禁止するのは
それが好きな子にとって
だいぶ酷なことに感じる。笑

家族のみんなは、イメルダの
決めたルールを守ってきました。
彼女に近しい親族ほど
彼女の苦労を知っているのか、とても厳しかった。
ママ・ココの娘
ミゲルにとっておばあちゃんの
エレナ・リヴェラは、頑なすぎてホゲってた。
彼女が中心になりリヴェラ家は
音楽には触れず、靴と向き合う毎日です。
けどミゲルだけは違いました。
どうしたって音楽が好きなのです。
家族全員対ミゲル1人
ママ・ココは干渉しない。
そんな図ができてた。
ミゲルが作った手作りギターを
おばあちゃんが破壊した時は
おのれってなりました。

結局、音楽のために
家族を捨てた夫という
事実とは違うことを
イメルダは思い込んでいたのです。

その憎しみから生まれた
音楽禁止の掟でした。
その思い込みがあったからこそ
彼女は靴屋さんで
成功することができたとも言えるけど。

死んでしまった人から
事実を聞くことはできません。
けどもし間違ったまま
決められたルールを
生きている人たちが
頑なに守り続けていたら。

何も疑うことなく。
それか疑いようもないくらいに
話が出来上がっていたり
苦労している姿を
そばで見てきてたりしたら。

けどミゲルの
音楽を好きな気持ちは
その全部を、吹っ飛ばしていったように見えてた。笑
いつも好きに向かって、全速力なミゲル。
好きの気持ちは、強いなと思いました。
生者の世界だけでなく
死者の世界にまで
影響をもたらしたのです。
純粋な気持ちから
湧き上がるものは
場所も時間も関係ないのを感じました。

 

デラクルスの成功に隠された真実


シネマカフェより出典

イメルダの旦那さん
つまりミゲルの
ひいひいおじいちゃんは
音楽のために、家族を捨てたと思われていました。
けど実際は
音楽が好きでありながら
家族をそれ以上に愛していた人です。

彼が家族のために作ったものは
デラクスルに利用されてしまったのでした。

デラクスルを大きな成功へと
連れていったのは
ひいひいおじいちゃんの力なのです。
その後、デラクルスにとって
都合の悪い彼は、殺されてしまいます。

そして、ミゲルが墓地で弾いた
デラクルスのギターも
本当はひいひいおじいちゃんのものなのでした。

デラクルスはどうして
そのギターを使っていたのか。
形見のつもりなのか。
いやぁ。。。
けど彼は、自分が
実際にしたことを
映画に残していました。

ひいひいおじいちゃんとの
最後の時間のことです。
彼がどういう気持ちで
それをしたのかまでは、描かれてなかったけど。
ヒントもなかった。
けど事実というのは
作品の中に、散らばっているのかもしれません。

その後、デラクルスは
人気者になるも
大きな鐘に押し潰されて、死を迎えます。
そしてミゲルは
ギターを墓地から盗んで弾いたことで、死者の国へ。

このギターに関わると
何か悪いことが起きるのかなと思った。笑
ここまでを知ると
イメルダの憎しみなのか
ひいひいおじいちゃんの怨みなのか。
どちらも宿っているのか。
けどイメルダの決めた
ルールから始まって
ギターの呪いにかかり
過去に消されてしまった真実に
辿り着いて解消されていく。
負のエネルギーは
全部を覆すことも
できるんじゃないかと思った。
それを受けた人が
ミゲルじゃなかったら、できなかったことだけど。

これがミゲルまで
他の家族と同じように
右へならえをしていたら
こういう結末は迎えらていませんでした。
家族全員の圧の中で
自分の好きなものを
好きでいた彼だったからです。
だからこそ、間違った
考えからのルールを
終わらせることができたのでした。

 

死者の国


シネマカフェより出典

この世界にも、死者の国とを
繋ぐ橋はないのかな。
映画の中には
天国も地獄もなくて
ただ死者の国って表現されてたのが、面白かった。

老若男女問わず
そして変わった動物もいる世界です。
元の世界にいる
ちっちゃな野良猫が
死者の世界では、人よりも強い
存在になってたのがツボだった。
名前はペピータ
大きな牙に羽のついた
カラフルで不思議な猫です。
魂のガイドなんだそうでした。

そしてペピータだけでなく
犬のダンテまでも。
ペピータの影響なのか
途中で体が変わって羽が生えてました。
ダンテの体のサイズは
変わらなかった。笑

ダンテは、おばあちゃんのエレナに
あまりよく思われていませんでした。
ミゲルは仲良しだけど
ダンテは、あくまで野良犬なのです。
けどダンテは死者の国で、大活躍します。
もちろんペピータも。
生者の世界と
人との関わり方が、逆転してたのも
楽しいところでした。

あと死者の国は
時間感覚がなくなるような。
日の光を感じるシーンがありません。
色とりどりのカラフルな
建物がきれいだったけど
そのライトが消える時はなくて
ずっと夜みたいだった。
そして地下の深くにいるような
そんな気がしています。

だからオレンジ色の
マリーゴールドの光が
余計に眩しく感じてた。
マリーゴールドは
死者と生者を繋ぐシンボルとして
映画に登場します。

これは実話に基づいているようです。

元の世界にミゲルが帰った時
マリーゴールドの光と
太陽の持つ光が似ているのを感じてた。
光ってあったかい。
生死を越える人の力は
計り知れないなと思います。

このブログでは触れていないけど
ピクサー作品に共通した
色んな隠れキャラや
隠れナンバーが登場します。

ぜひ自分にあった方法で、探してみてください。

 

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