のほりひがし。 東の感想ブログ

コミック『HEAT-灼熱-』1・2巻 新宿歌舞伎町に現れた唐沢辰巳【あらすじ感想】

マンガ・アニメ感想

こんにちはの東です。
今回は『HEAT-灼熱-』1、2巻のことを書いていきます。

原作に武論尊(ぶろんそん)さん。
作画は池上 遼一(いけがみ りょういち)さんです。
1998年から2004年まで
連載されていた作品で全17巻に。

新宿歌舞伎町に現れた
主人公が、日本最大の暴力団を掻き乱していきます。

どうして彼に多くの人が
惹きつけられていくのか。
唐沢が段々とカッコよく見えてきていました。

ネタバレがあるので
それでも良い人だけ進んで下さい。

あらすじ

舞台は新宿歌舞伎町。
そこの闇金融に突然やってきた
主人公の唐沢辰巳がいました。

そんな彼は
日本最大の暴力団である
「関西山王会」や警察を相手にしても
怯むことはありませんでした。

極道の世界では素人の唐沢が
街で名を馳せていく様子が描かれています。

 

登場人物

唐沢 辰巳(からさわ たつみ)
謎多き主人公。
彼の何でもやっちゃう
レベルが桁違いでした。
2日でホストクラブ『新宿租界』の
オーナーになって
その後すぐ、自分の店に火をつけるっていう。笑

敵も理解不能で引いてたり。
けど彼には全部
考えがあってのことで
唐沢の敵になるのは怖いなと思いました。

どう見たって強い唐沢ですが
背中には鶴の刺青が。
鶴にしたワケを聞かれて
「弱いモンが
どこまで強ェ奴喰えるか……」
と言っていたのが、残っています。

伊丹(いたみ)
現役東大生であり、闇金融の社長。
仕事はブラックだけど
心許した人には、良心的な面も見せる伊丹。
けどやっぱりブラック
通り越して闇でした。

金(キム)
『新宿租界』の支配人であり
唐沢のそばに、いつもいる人物。
お互いに信頼しあっている
雰囲気が伝わってきていました。

元は伊丹の用心棒だったことを
思うと、ちょっと複雑な気持ちになります。

栗木(くりき)
東新宿署の署長。
唐沢を潰す気満々でいた栗木。
けど彼を知っていくうちに
変わっていく様子が好きでした。

村雨(むらさめ)
日本最大の暴力団
「関西山王会」の関東総本部長。
いつも棒付きのアメを舐めている村雨。
修羅場に遭遇した村雨が
もしアメをそのまま持っていたらを
想像して、プフリしていました。

 

感想

1巻

新宿歌舞伎町を舞台に
一般人は知ることのない
裏社会の様子が描かれていきます。

1巻だけで何人の女性が
脱いでるんだろうかっていう。
それで一度止まってしまってました。笑

女性はどうなんだろう。
けど唐沢がカッコいいので
読み進めて行ってほしいです。
 

と、そういうことが
当たり前の世界で
主人公の唐沢 辰巳(からさわ たつみ)もやりまくり。
の出だしから
徐々に違う面が見えてきます。

組織に属していたわけでもなく、素人の唐沢。
そんな彼が、どうして
この世界のトップの人たちに
目をつけられているのか。
その理由を見せつけられます。

人が血を流し、命を失い
たくさんのお金が動いていく様子。
一般人の知らないところで
戦争は続いていました。
 

主人公の唐沢は
2年前、突然歌舞伎町に姿を現し
そこで闇金融(カネカシ)をしている
現役東大生、伊丹(いたみ)の元にやってきます。

唐沢は不思議な男で
担保なしに、初対面の伊丹に
いきなり1000万円を借りようとします。

担保は、先で起こり得る
貸した側の、不利益を補うため
借りた側が保証で差し出すもの。

唐沢にとっての担保は
自分への信用だと。
そこまでの自信をつけてみたい。
 

もちろん伊丹が
要求を飲むはずはなく。
そこで、彼の用心棒である金(キム)
唐沢を追い出そうとするも
返り討ちにあってしまう2人。
ここから新しい関係が
できていくのでした。

 
そんなに強いんなら
自分で稼いだらどうだと。
キムがクビにされた
ホストクラブのオーナーから
退職金を奪う提案をする伊丹。

けど唐沢は、店をまるまる
乗っ取ってしまおうと。笑

頭の切れる伊丹と
彼の考えも及ばないところにいる唐沢。

そして出会って早々
キムは派手に痛めつけられたものの
唐沢の同志となり
彼のそばに付くことになるのでした。
 

これが発端となり
そのオーナーに付いている
組織を敵に回してしまった唐沢。
一度はお金と脅しで解決したものの
その後は、こちらからケンカを売ることに。

そのバトルと並行して
別の場所では日本最大の暴力団
「関西山王会」が
警察署長、栗木(くりき)の要求で
唐沢を潰そうと動きます。

1巻は、この2つのストーリーが
交互に進んでいく巻です。
この世界に馴染んでいくための巻でした。
 

そして山王会の
関東総本部長である村雨(むらさめ)

彼は警察をバックに
唐沢を狙う立場にありながらも
彼に興味を持っていました。

素人の唐沢と、この世界で
今の地位まで上り詰めた村雨。
2人の関係や
村雨と署長の繋がりにも注目です。
 

どんな人たちが上にいるのか
唐沢という謎めいた主人公は、今どこにいるのか。
それを知っていくと
唐沢、栗木、村雨が
作品の3柱に見えました。
 

そして唐沢に、どうして人がついていくのか。
仲間のために
何があっても変わらない自分で
いようとする唐沢です。

変化しながら変わらない難しさ。
けど彼は、それを貫くっていう。
なんだか、いちいちカッコよくて
こういう人が増えたらなって思いました。

 
そんな唐沢は、その後
村雨を殴り、それだけでは終わらず。
更には、山王会のNO.3
藤巻(ふじまき)を消そうと、本人の前で言い出します。

そして、村雨のランクを上げて
手を打つのはどうかと提案する
唐沢に、さすがの村雨も汗をタラリ。
彼に、怖いものはないのかと
聞いてみたくなっていました。

 

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2巻

早くも唐沢の過去が見えてきます。
素人だからできる勝負の仕方で
山王会の内部を掻き回していく唐沢。

多くの人が、策略を練りながら
今の場所にいる様子にヒヤヒヤと。笑

けど唐沢は、そういう空気を
周りに感じさせなくて。
30億ものお金を動かしても
動じない様子にビックリでした。

 

唐沢と伊丹の溝

唐沢と伊丹の関係に変化が出てきます。

今は唐沢と常に行動を
共にしているキムですが
元は、伊丹の用心棒でした。
けど伊丹とキムが
2人でいる様子はほぼ無く。

しかもこの巻では
唐沢とキム、そして伊丹の図ができている状態です。
 

1巻で唐沢を狙っていた
署長の栗木でさえ、妻が彼に
体を許してしまったことを
受け入れざるを得ない様子に。

そんな唐沢と伊丹は
周囲から比べられるようになっていました。
更に変なウワサもあって
伊丹に唐沢への反発する気持ちを
膨らませていたよう。

人を比べたがるのは、どこも同じなんだなと。
自分が優秀なことを
自負している伊丹です。
押さえてはいるものの
本当はかなりきてそうでした。

 
唐沢への反発する心や嫉妬心。
よくあることと思うけど
2人とも普通を通り越してる人たちです。
起こる事件もヤバさが違います。

しかも、山王会とのトラブルが
多発している時期の仲間割れは悪い予感が。
2人が対立するきっかけには
やっぱり山王会も絡んでいました。

 

唐沢が山王会に仕掛けたこと

1巻で山王会のNO.3である
藤巻を消そうと、村雨に提案した唐沢。
村雨は本気にしていませんでしたが
唐沢は本当にやる男でした。

唐沢の策にはまり、警察に捕まった藤巻。
猶予執行中の藤巻にとって
かなりまずい状況です。

そこで2億払えなければ
藤巻には刑務所へ行ってもらうと、話す唐沢でした。

 
その2億を払ったのは誰か。
それが山王会の4代目会長である
尾形 市造(おがた いちぞう)で。

そして彼に付いている
4代目代行のNO.2
石倉 義信(いしくら よしのぶ)
次期会長の座を狙って
藤巻や村雨と対立することになります。

 
この山王会の中でも、バチバチな感じ。
だから村雨には
栗木のような、組織の外にいる
人との時間が必要だったんだなと。

唐沢が山王会の前に
現れたことで、内部はグチャグチャに。
彼は山王会をどうしたいんだろうって。

山王会は既に
危機を迎え始めているのではと思いました。

 

唐沢の過去

唐沢の過去は
まだ一部だけど、それが絶大です。
村雨も、内心かなりたまげていたハズ。

この話には、山王会会長である
尾形の戦友が登場します。
その人物は、ロサンゼルスの
チャイナタウンを仕切っている
台湾マフィアの大親分でした。
 

どうしてそんな人物が
唐沢を探して
わざわざ新宿まで来るのか。

2人が対面した時の緊迫感。
自分の店を出たら、そこに
黒スーツの男がズラー並んでるっていう。

「マジで逃げるしかねェ!」と
慌てる仲間たちと、同じ気持ちになれます。笑
唐沢だけは
ずっと小さく笑んでいましたが。
 

過去を知ったことで
唐沢は何者なんだっていう
謎が逆に深まっています。

その後も、勢いの止まらない彼は
NO.2である石倉のお金を
30億奪い、それが伊丹との対立へと繋がっていくのでした。