のほりひがし。 東の感想ブログ

映画『ダラス・バイヤーズクラブ』余命宣告を受けたHIV患者の実話に基づいた話【あらすじ感想】

映画感想

こんにちはの東です。
今回は映画『ダラス・バイヤーズクラブ』のことを書いていきます。

ジャン=マルク・ヴァレ監督による
実話を基にしたお話です。
主演はマシュー・マコノヒー。
HIV陽性と診断され
余命30日と言われた主人公が、どう生きていくのか。

ネタバレがあるので
それでも良い人だけ進んで下さい。

あらすじ

1985年のアメリカ、ダラス。
電気技師であり女、酒、コカインに
ドップリな毎日を送る
ロン・ウッドルーフがいました。
咳が止まらず、とうとう倒れてしまった彼に
言い渡されたのが、HIVの陽性です。

そして治療薬の存在を知るも
安全性が確認されてないとして、処方してはもらえず。
そこで彼は自分で、他の治療薬を
探すことにするのでした。

 

登場人物

■ロン・ウッドルーフ
マシュー・マコノヒー
吹替:藤原啓治

HIV陽性と診断された主人公。
感染したことで、どうしようもない
気持ちになりながらも
諦めなかったロン。
壁が立ちはだかりっぱなしでも
突進していく様子。
命懸けとはことのことでした。

■イブ・サックス
ジェニファー・ガーナー
吹替:渡辺ゆかり

ロンがHIVと診断された病院の女性医師。
患者のことを思っているが故に
ロンに未承認の薬を懇願されても
断ったシーンがありました。

彼女のしたことは正しかったのですが
その時の辛そうな様子に
板挟みのような状態にいるのがわかります。
彼女には彼女の苦しみがありました。

■レイヨン
ジャレッド・レト
吹替:小倉直寛

トランスジェンダーのレイヨン。
HIV感染者であり
AZTの臨床試験を受けていた人物です。

同性愛者ということで
最初はロンに毛嫌いされていたものの
徐々に変わっていく関係が描かれています。

エイズ感染者である男性の7割が
同性愛者や両性愛者であり
他には静脈注射のドラッグ使用者が
2割に満たないくらいとされていました。

 

感想

HIVに感染し余命30日と宣告されたロン・ウッドルーフ

ただただ平和に健康に
生きていたら知らない日常が描かれていました。
実話が基になっています。

HIVウイルスに感染=エイズ発症ということではありません。

HIVに感染することで、免疫力が低下します。
そして23ある合併症のうち
いずれかを発症したことで、エイズと診断されると。
HIVは、その原因と言われる
ウイルスのことでした。

ロン・ウッドルーフ
女遊びに大量のアルコール
コカインにと、見るからに具合の悪そうな
様子のロデオ・カウボーイでした。

咳が止まらなくても気にせず。
けどある日、突然意識を失ってしまいます。

そして病院で宣告されたのが
HIV陽性とのことでした。
最初は、受け入れようとせず
当たり散らしていたロン。
けど自分で調べていくにつれて
受け入れざるを得ないことに気づきます。

治療薬として挙げられていたのがAZT。
けどこれはまだ
安全性が確認されておらず
この薬の処方を断られてしまったロンでした。

 

AZTの臨床試験に
協力していたのがレイヨンです。
彼はトランスジェンダーであり
最初はロンと相性が悪かったものの
後では一緒に「ダラス・バイヤーズクラブ」を
立ち上げることになります。

エイズ患者であり、会費を払えば
治療薬を無料で受け取れるというもの。

ロンはAZTが免疫力を下げる
薬であることを知り
未承認治療薬のペプチドTを扱うことにします。
そして彼は同じように
免疫力を低下させるコカインをやめ
症状が少し良くなったのを実感していました。

 

ロンは最初、自分の症状を
良くすることと、お金儲けのことしか考えていませんでした。
そのための「ダラス・バイヤーズクラブ」です。

けど人に感謝されるうちに
彼自身が変わっていっていました。
それでも気性の荒い部分は変わらず。笑
彼がそういう性格だったから
こういうことができたんだと
今では思います。

そして宣告されていた30日を
過ぎても、彼はまだ生きていたのです。
体内に入ったHIVウイルスを
完全に取り除くのは
非常に難しいとされています。
なので免疫機能を維持して
ウイルスの増殖を防ぐことが大切でした。

 

ロンも最後までHIVウイルスと
戦い続けることになります。
良くなったかと思えば
痩せ細った姿になっていたり。
健康的な様子の彼と
げっそりと今にも倒れそうな彼を
交互に見ていました。

最後には車も運転できなくなり
道路のど真ん中を
フラフラ彷徨ってしまうまでに。

彼が仕事も上手くいって
体調も良かった期間も
ずっとは続きませんでした。

ロンの破天荒な性格で
物語がガチャガチャに
盛り上がって見えるけど
実際は苦しいことばかりです。

けど経営が厳しくなっても
自分の車を売って
会費が払えない患者の分にしていたり。

最初は、人のことなんて考えず
自分とお金儲けのために
「ダラス・バイヤーズクラブ」を始めたロンです。
それがいつの間にか
たくさんの人を助ける場所へ。
更には、彼も周りの人に
助けられるような存在へと
変わっていっていたのでした。

 

この文章だけで見ると
苦境から上手くいった人みたいな。
けど彼の様子を見ていると
苦難の連続でした。

ロンでなければ
とても耐えられることではありません。
何回も倒れながら
同じ病気で苦しむ人を
助けようとした人物です。
映画の中だけの話じゃないのが驚きでした。。。

 

最後まで戦ったロン・ウッドルーフ

戦いにも色々なものがあります。
銃や爆弾などを使ったものが
主に浮かぶと思いますが
この映画で主人公が戦ったのは
HIVというウイルスと
アメリカ食品医薬品局「FDA」でした。

FDAが毒性のあるAZTの使用を
許可してしまったのです。
これにより免疫機能を
維持しなければならない患者に
免疫力を下げるAZTが処方される事態が。

そしてロンが提供していた薬が
全て没収されるという
最悪の展開を迎えることになります。

一気に経営が苦しくなったところで
追い討ちをかけるようにして
レイヨンの容体が悪化。

免疫を下げるからと
ロンはコカインを絶ったのですが
レイヨンはそれができなかったのです。
更に、レイヨンの運ばれた病院は
AZTを使っているところでした。

この事態にロンが怒りをぶつけるものの
レイヨンがコカインに依存していたことが
持ち出され、論破できず。
どうすることもできない悔しさと
怒り抱えたロンがいました。

 

彼はその後、容体が不安定になっていきます。
それでも覚悟を決め
患者に治療薬を無償提供
AZT開発会社の講演会に
単独で乗り込んでいったり
FDAと法廷で戦うことになります。

その時の彼を支えたのが
ロンがHIV陽性であることを
告げられた時に立ち会っていた女性でした。
イブ・サックスはレイヨンと
友人関係であり、臨床試験中に診ていた女性医師です。

ロンは最初、彼女にも喧嘩腰で
バチバチの様子でした。
けど最後は彼女の支えがなければ
苦境の中、ここまですることはできなかったと思います。

彼女がロンの元に来たのは
AZTの真実を知ったからでした。
それまでの病院にいた彼女から一変。
けど病院では、彼女が1人
孤立しているようで悲しかったです。

 

余命30日と言われたロンが
ずべてを懸けて戦ったお話でした。
宣告されてから、彼はいったい
どのくらいの時間を生き延びられたのか。
そして彼がFDAと戦ったことで、何が起きたか。

悲しいことの方が多かったですが
奇跡を見ているようでした。

 

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