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『血の轍』5巻 静一、母親の愛情を選び涙のUターン【ネタバレ注意・あらすじ感想】

マンガ・アニメ感想

ヤッホの東です。
今回は『血の轍』第5集について書いていきます。

作者は押見修造(おしみ しゅうぞう)さん。
『ビッグコミックスペリオール』にて
2017年から2023年にかけて連載されていた作品です。

いやぁ、どうして、、いやぁ。
っていうのを繰り返してる。
静一の気持ちが
よく理解できないでいる東です。
人の気持ちは複雑です。

ネタバレがあるので
それでも良い人だけ進んでください。

あらすじ

田舎に暮らす長部家は、3人家族でした。
まるで恋人のようにして
静一に接してくる母の静子。
その愛情表現は
親子の域を超えています。
父の一郎は、物静かな印象でした。

付き合うことになった静一と由衣子。
放課後、2人で会話する時間は
静一の楽しみになっていました。
けどそれが、静子に見つかり
慌てて逃げる2人。
そして静一が隠れ込んだ場所は
由衣子の部屋でした。

 

登場人物

■長部 静一(おさべ せいいち)
中学2年生の主人公。
静ちゃん(せいちゃん)の
愛称で呼ばれています。
静一はどういう人だったっけと
読み終わってからふと思いました。

あと巻末のページで
小学生の頃に書いた作文が載っています。
そこには、静子から静一に
宛てられた内容も。

彼の名前の由来に、嬉しい自分が。
第1集のブログ記事で書いたことが
書かれていました。

【1巻の記事はこちら】

■長部 静子(おさべ せいこ)
静一の母親。
怖い時とそうじゃない時の
差が未だに埋まりません。
彼女の思っていることを知るほど
もっと開いていくんじゃないかと、そんな気がします。
自分のコントロールって難しい。。。

■吹石 由衣子(ふきいし ゆいこ)
静一と同じクラスの女の子。
静一にとって、彼女はどういう存在なのか。
前の静一と今とで
由衣子に対する変化も見えてくる巻でした。

 

感想

お互いにドキドキしっぱなしの由衣子と静一

長部 静一(おさべ せいいち)
今までずっと辛い状況にいました。
母の静子(せいこ)が原因で
言葉が発せなくなっていたことにも、気づきます。
彼女がいない場所でなら
普通に話せるまで回復していたのです。

そのきっかけをくれたのが
彼女になった
吹石 由衣子(ふきいし ゆいこ)
でした。
けど2人で放課後に会っていたのが
静子に見つかり
静一は由衣子の家に隠れることになります。
彼女のお父さんに見つからないよう
ヒヤヒヤしつつも
初めてのドキドキな夜でした。

 

初めての恋人と、一緒の夜です。
2人には更に、バレたらマズイという
スリルまでプラスされてました。

思春期のうぶな展開に
どう書いたらいいのか\( ˆoˆ )/
読んでいたら、きっと
みんな初めての頃に
タイムスリップできるんんじゃと思う
そういうシーンが描かれていました。

 

静一は、彼女のおかげで
普通の男子の日々を
取り戻しつつありました。
目に光が戻ってきて
もうまっかっかだった。
急激な沸騰具合に
彼自身も、こんな日がくるとは
思ってなかったとビックリしてそうな。笑

静子の本性を見ても
静一と関わるのをやめなかった由衣子。
静子が警察に
嘘をついていることまで
知ったら、彼女はどんな反応をするだろう。

普通じゃ考えられないような
とんでもない隠し事をしていて
誰にも話せずに苦しんでいた時に
自分のそばにいてくれる人が現れたら。

由衣子は全部を知らないけど
そういう人の温かさを感じるお話が続いていました。

 

静一、まさかの実家へ帰る。

星の見える夜から一変
次の日は雨でした。
嫌な予感。笑

2人の時間を楽しんでいたところに
お父さんの、おっきな声が
割って入ってきます。
その声は「長部くんのお母さん」と言いました。

静一は急に、また声が上手く出せなくなってしまいます。
静子の名前を読んだだけでくる、この感じ。
全然静かじゃない。笑

 

由衣子が外に出てみれば
そこには傘もささずに
俯いている静子がいました。
由衣子のお父さんがいてよかった。
それと静一が帰ってこないのが
初めてのことだったからか。
今日は別人のようで。

彼女の懺悔を聞いているみたいだった。
それを静子にバレない
位置で静一は聞いていました。

彼に謝り続ける静子。

自分が愛してもらえなかった分
静一を愛してあげたかったと。
一郎も姉嫁の味方で
みんなして、過保護だと
バカにしていたようでした。
だから「静一が生まれてから
ずっとひとりぼっち」と
第3集の時にも言ってた言葉が
出てきていました。

 

その時の、静子の泣き顔を見て
静一は何を感じたのか。
今朝も彼女の夢で
変な汗をかいていた人とは思えない表情で。
涙を流して
頬を赤くしている彼がいました。

ついさっきまで由衣子との
間にあったドキドキはどこへ。
その後、また2人で
街の隅に隠れるも
静一は泣きながら
由衣子を1人にしてしまいます。えっ。

 

静一も静子も、由衣子までも
泣いてて、もうみんな
どれだけ涙流すんだって。

あまりにたくさん
静一の涙を見てきたからか
涙の中に
いくつか種類があるように
見えてきています。

静子の表情を見た時の
静一の涙は、キレイでした。

どんなに嫌な相手でも
その心の内を知ると
スッと怒りが消えてしまうのか。
愛情がわかると
どんなに攻撃的なことを
されてきたとしても、戻りたいと思うのか。

静一の場合
相手が自分の親っていう
深い結びつきと
やっぱり静子の思いが
異常に強かったのを感じてました。

 

自分が、〜だったから
子供には、〜な思いをさせたくない。

よく聞いてきた言葉です。
けどそれを子供が望んでいるのか。

この時の静一は
自分から戻ることを、望んでそうでした。
となると、もう何も言えないと思う東です。

望んでいる自分の
感覚がマヒしていないか。
最初の頃の静一がよぎるけど
もう静子が、そばにいる限り
よっぽど強い人が現れなければ
何も変わりません。

救いだと思っていた由衣子を
泣かせて、1人置き去りにしてしまった静一。
自分から彼女の手を
振り解いてしまっていました。
お父さんとの関係が
悪化していそうな彼女も心配です。

また1人、長部親子による
被害者が出てしまったような。
静子によるハラハラは、続いていきます。
気持ちの波がすごい。
自力でテンションを上げる
プチ訓練をしているようでした。

 

コミック

 

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