『血の轍』4巻 静一を変えた由衣子との時間【ネタバレ注意・あらすじ感想】
こんにちはの東です。
まだまだ深みへと、連れて行かれそう。
今回は『血の轍』第4集のことを、書いていきます。
作者は押見修造(おしみ しゅうぞう)さん。
『ビッグコミックスペリオール』にて
2017年から2023年にかけて連載されていた作品です。
静子に追いかけられる
静一と由衣子の子供2人。
スイッチが入っている
静子というだけで
もう怖いと思ってしまう
自分が出来上がっています。
ネタバレがあるので
それでも良い人だけ進んでください。
あらすじ
田舎に暮らす長部家は、3人家族でした。
まるで恋人のようにして
静一に接してくる母の静子と
父の一郎は、物静かな人です。
静一は、母親に
首を絞められた恐怖が
1か月経っても、消えないでいました。
少しの時間だけ
言葉が話せるようになったけど
それもまた元に戻ってしまいます。
そんな中で、由衣子の存在が
彼と静子の間に
変化を生むことに。
登場人物
■長部 静一(おさべ せいいち)
中学2年生の主人公。
静ちゃん(せいちゃん)の
愛称で呼ばれています。
いとこの三石しげるを
静子が崖から突き落として以来
静一は未だに言葉を普通に
発することができませんでした。
けどこの巻で、徐々に彼が表情を
取り戻していく様子が
見ていて嬉しかったです。
■長部 静子(おさべ せいこ)
静一の母親。
第4集では、優しい静子が多めでした。
その分あって、最後がグワっと。
そうだ、静子は
こう人だったと思い出しました。
■長部 一郎(おさべ いちろう)
静一のお父さん。
今回は少し登場するだけで。
しげるの事件の真相が
彼には伝わってほしいなと思います。
■吹石 由衣子(ふきいし ゆいこ)
静一と同じクラスの女の子。
彼女の存在が、本当に救いです。
静子の本性を、一郎以上に知っている人でした。
感想
時間が緩やかに進んでく。
静一の言葉の数が少ない分
絵で表現されているのが
作品の特徴に感じています。
由衣子との時間が静一に与えた変化
長部 静一
(おさべ せいいち)は
未だに、声が上手く出せないでいました。
静一に幸せな夢を
見させてあげてほしい。
未だに母、静子(せいこ)の
悪夢ばかりを見ていそうです。
まさか自分の母親に
首を絞められるなんてって。
言う事を聞かない人は
いらないと言う彼女にとって
静一はどんな存在なんだろうと思いました。
そのトンデモな出来事から
時間が経ち、彼女は
元の優しい母に戻っていたけれど。
その頃、学校では少し不穏な空気が
出てきていました。
1か月も静一が
話せないままでいれば
友達の様子も変わってきます。
彼はだんだんと
からかわれるようになっていました。
そして夏休みに
静子と出かけていたことが
バレていたらしく
そのことを引っ張り出され
バカにされてしまいます。
それでも彼は、声が出せません。
その分、教卓をけって
物にあたることしかできず。
悔しそうだった。
家に学校にと
どうしようもないことの
板挟みにされているような。
それで悪夢も見るしで
静一の休める場所は
どこにあるんだろうって思いました。
家に帰りたくなくて
フラッと寄った場所は
キレイに手入れされた、広場のような所。
そこのベンチに座ったところで
後をつけていた
同じクラスの
吹石 由衣子(ふきいし ゆいこ)が
話しかけてきます。
後をつけられても彼女なら
全然かわいいなって。
静子だったら、ヒイってなるところでした。笑
それまで学校では
話せずにいた彼ですが
由衣子の手紙が
嬉しかったことを
ちゃんと話して
伝えることができたのでした。
どうしちゃったん静一って。
あれだけ話せないで、困ってたのに。
もう奇跡でした。
静子に首を絞められる前
感情的になって
叫んだ時以来のできごとです。
そして今度は彼から
由衣子に告白を。
こうして家の外の時間が
彼の楽しみになり
静子から解放される時間になっていったのでした。
おめでたい。
この作品だから
余計ハッピーなことに感じます。
そうだ静一は、よくほっぺを
赤くしてた人だったって、思い出してた。
2人で並んで
話しているだけなのに
すごく嬉しく感じています。
第1集からの急展開で
静子のトンデモワールドに
引き込まれてきてたけど
ここにきて少し休憩タイムが
用意されていたような。
それでも静子が
いないわけではないですが。
由衣子と静子の時間が
交互に続いていくのが、面白かったです。
回を重ねるごとに変わる
静子へ対する、静一の反応。
学校でも普通に
話しができるようになった静一は
今まで以上に、静子への
拒否反応を示すようになっていました。
声が出なくなっていたのも
彼女がそばにいることが
原因だったのです。
彼女の前では、上手く話せず
元の話せない彼に戻っていました。
静子に追いかけられるも、由衣子の為に刃向かった静一
少しずつ変わっていく静一に
静子が気づかないはずがなく。
放課後、由衣子と会っていたことが
バレてしまいます。
ヒヤヒヤしながら展開を見ていました。
静子も、今までの習慣を変えて
朝食をいつもの肉まんから
他のものに変えたり。
彼女の雰囲気も変えたりと
静一のため、彼女なりに頑張っていました。
けど彼は、由衣子との時間が
やっぱり楽しかったのです。
夕飯はカレーだから
早く帰ってきてねと言われても
その日も、由衣子と話しをしていました。
由衣子の家は
お母さんがおらず
おばあちゃんとお父さんの
3人暮らしです。
そしてお父さんとは
よくケンカになっているようで。
彼女も家に
あんまり帰りたくなさそうでした。
そこで良い雰囲気に。むふ
彼女の頭を撫でる静一と
もう2人とも可愛かった。むふむふ
今まで、静子やいとこである
三石しげるのお母さんに
撫でてもらったことはあっても
自分からは、初めてなんじゃないかな。
暗くなってた景色が
少しの間、2人の世界に変わってました。
けど現実は、いつまでも
2人でいさせてくれはしません。
「見たわよ!」の声で
一気に目が覚めた静一。
暗くて、表情の見えないところが怖かった。笑
2人して草むらに隠れるも
静子は、叫びながら追ってきます。
静一に話しかけながら
探し回る様子は、本当に母親なのかと。
静一が、その声に
追い詰められていたところを
助けたのは、由衣子でした。
彼女が、耳を塞いでくれたのです。
これで静一は、正気を
取り戻せたと思ったのも束の間
居場所が見つかってしまいます。
表情が見えたと思ったら
涙と鼻水でグジャグジャの静子。
由衣子を、静一から引き離そうと
手を伸ばしてきます。
けどそこで静一が
立ち上がり、自分の言葉で
彼女に反抗するのでした。
爪が割れるほどに
噛んだことってあるかな。笑
自分はありません。
爪から血を流しながら
微笑を浮かべて
静子は、引き返して行きました。
由衣子の存在が
親子のこれまでの関係を変えるきっかけに。
2人で静子から逃げようと
言い出す由衣子でした。
けど逃げて、何ができるのか。
すぐに連れ戻されちゃうんじゃと
思ったけど、もしかしたら
逃げ切れるのかもしれないとも、思う自分がいます。
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