Netflixドラマ『寄生獣 -ザ・グレイ-』泉新一、ミギーとは異なるスインとハイジの共生のあり方
ドラマ『寄生獣 -ザ・グレイ-』を観てきました。
岩明均の大人気コミック『寄生獣』を基に、ヨン・サンホ監督によって制作された韓国の実写ドラマです。
Netflixにて公開中。
これまでにもアニメ化、実写映画化とされてきましたが
ドラマ版では同じ「共生」をテーマにしながらも、異なったストーリーで描かれていきます。
死体の数。
グロテスクなシーンがたくさんですが、謎の寄生生物パラサイトとのバトルはその存在感からもド迫力。
けど不思議なもので、観終わる頃には一部の存在に、違う感情が芽生えていきます。
人間VSパラサイトの戦い。
原作や映画版などとの違いも感じてほしい作品です。
そして最後にはサプライズが、ビックリの日本人でした。
あらすじ
ドラマ版では主人公が男子高校生から29歳の女性へ。
スーパーで働くチャン・スイン(演:チョン・ソニ)が事件に巻き込まれ、パラサイトに襲われてしまいます。
その時彼女は、車ではねられたり刃物で刺されたりと重傷を負っており
体内に侵入したパラサイトは彼女の脳を奪い体を乗っ取るよりも先に、全身の治癒に努めました。
その結果何が起きたか。
パラサイトは脳を奪い損ない、人間の体内で共存を余儀なくされます。
こうして誕生した変異種が、人間とパラサイトの戦いに何をもたらすのか。
パラサイト殲滅のため構成された特殊部隊、ザ・グレイ。
そして種の勢力拡大のため、掟を定めながらも激化していくパラサイトの殺戮。
2つの衝突の中奮闘するスインと
彼女を守ろうとするパラサイト、ハイジの共存関係が描かれています。
感想
映画版などと合わせて観て思ったのは
ストーリーがオリジナルなこともですが、主人公に寄生したパラサイトの違いが大きかったです。
2014年から公開された山崎貴監督による2部作の映画では
主人公、泉新一(演:染谷将太)の右手に寄生したミギーが、原作よりも人間味のあるキャラで描かれています。
話すことは生命体のものでも、愛嬌のある存在でした。
他のパラサイトが人間らしい感情を持ち合わせず(人間を理解しようとする存在もいましたが)
徹底した無の中、ミギーは明らかに違っていたのです。
それがドラマ版では、主人公に寄生したハイジも他のパラサイト同様に無のタイプ。
けど同種と同じ性質でありながら、スインと共存したことでハイジには得たものがありました。
ハイジから他の同種と同じ雰囲気を感じていた分、ミギーの時と違う共存のあり方に心動かされてました。
・・・
またミギーはいつでも主人公の右手を使って、表に姿を出すことができます。
主人公とミギーの口頭での会話もごく普通に
けどハイジの場合は時間制限があり、スインかハイジのどちらかしか表に出ることができません。
二重人格のような。
片方が起きてる間、もう片方は眠ってないといけない。
そうした対話が日常的にできない2人など、作品ごとの違いが見つかっていきます。
違いの分だけ、別の共存のあり方が。
目に見える部分が大きく異なっても、根っこは同じ一つの体を共有しているスインとハイジ、泉新一とミギー。
原作から生まれた違うストーリーであっても、同じ一つの作品を共有していること。
『寄生獣』で繋がっている作品を通して、共存、共有、共生の大きなテーマを感じてました。
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