のほりひがし。 東の感想ブログ

映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』最強偉人内閣が誕生したもしもの日本【あらすじ感想】

映画感想

映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の世界に行ってきました。

累計発行部数17万部を突破した眞邊明人さんのビジネス小説が原作に。

武内英樹監督によって再構成されて描かれていきます。

コロナ禍の日本に歴代の偉人が君臨したらどうなるか。

AI技術によって誕生した偉人による最強内閣を作るプロジェクトが始動。

世界中に猛威を振るったコロナが発端となり、日本では偉人による大変革のお祭り騒ぎが巻き起こってました。

あらすじ・感想

舞台は2020年の日本。

新型コロナに感染した総理大臣の急死により、日本は大混乱に陥っていました。

その原因は首相官邸でのクラスターの発生。

政府は総理と共に、国民からの信頼をも失う事態に。

この最悪の状況を打破するため、偉人内閣を作るという世界で前例のない計画を進めていくことになるのでした。

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そこで活躍したのが政府の機関、理化学研究所が民間のメーカーと共同開発した世界に誇るスーパーコンピューター『IZUMO』。

そしてノーベル賞受賞者の教授により誕生したAIと最新の3Dホログラム技術。

これらの技術を合わせることで過去の偉人が姿を取り戻し、現代への復活を果たします。

政府の目的は日本の回復と、国民からの信頼を取り戻すこと。

目的のため偉人たちは力を集結させ

コロナによる日本の危機を乗り越えようと一致団結。

ですが盛大な祭り事の裏で渦巻く陰謀に

テレビ局の若手記者、西村理沙(演:浜辺美波)は気づくのでした。

・・・

そして復活した偉人たちには、それぞれに役職が。

総理大臣:徳川家康(演:野村萬斎)

財務大臣:豊臣秀吉(演:竹中直人)

経済産業大臣:織田信長(演:GACKT)

内閣官房長官:坂本龍馬(演:赤楚衛ニ)

農林水産大臣:徳川吉宗(演:髙嶋政宏)

総務大臣:北条政子(演:江口のりこ)

厚生労働大臣:徳川綱吉(演:池田鉄洋)

外務大臣:足利義満(演:小手伸也)

法務大臣:聖徳太子(演:長井短)

文部科学大臣:紫式部(演:観月ありさ)

偉人もキャストも錚々たる顔ぶれです。

中には原作に登場していない、映画だけの人物まで。

ありえないが実現した世界で繰り広げられるストーリーは

未知の可能性を秘めたAI技術で、もしもの説得力。

そして実際に起きたコロナパンデミックの中で復活した徳川家康たちが舵を取ることにより、言葉の重みも帯びてました。

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また有名な偉人が政府のメンバーとして動くことで

政治にあまり興味をもってなかった人も注目するきっかけとなる作品に。

なるべくしてなった各役職にて、それぞれの偉人が自身のキャラを発揮して政策を推し進めていきます。

彼らだからできる急激なV字回復っぷりがスゴでした。

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現実的にありえない部分も多々あるとのことですが、そこはエンタメ〜と。

お祭りを楽しんでた。

武内監督の前作『翔んで埼玉 〜琵琶湖より愛をこめて〜』のような笑!爆!みたいなのをイメージして観たら、だいぶ違くて。

偉人たちの叱咤激励をうけた気持ちになる

今の日本の政治を嘆く政(まつりごと)のお話です。

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政治にあまり関心のない人にこそ観てほしいと。

偉人たちだけを見るとまるで時代劇だけど、描かれているのは今の日本。

現代劇の中に存在する偉人は、凄まじい早さで今の日本に適応していきます。

その中で過去の英知を尽くし、コロナ給付金の支給から始まり

次々と政策を打っていく彼らの、そのスピードと実行力。

そんなムチャなと思うようなことも、すんなりやってみせる偉人たちに

国民はすっかり魅力され、政界の推し活まで広まる前代未聞の状態に。

日本中がAIによる内閣に熱狂し夢中になっていました。

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けど彼らが現代の日本人に望んでいるのは

そんな姿ではなく、自分に期待すること。

思考停止で流れの強い方に乗って、誰かになんとかしてもらおうとしているのが、どういう状態なのかが描かれています。

また今の日本を変えられるのは偉人ではなく、現代を生きてる国民であり

今の政治がどういうものになっているのか

政府に任せきりでなく国民の自覚をもって、意識的に参加していくことの重要性を感じました。

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そして最後には徳川家康による、台本9ページ分にもわたる演説のシーンがあります。

スクリーンに映っていた大勢の国民の1人になった気持ちで聴いてた。

国民の代表者を決めるのも国民。

けど国民が政治に関心を持たず、人任せだったら

そんな中で決まった代表も、行われた政策も

本当に日本を良くすることに繋がっていくのだろうかと。

もっと政治に意識的に目を向けていかないとって、ハッとさせられる作品でした。

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自分に期待、国民に期待、日本に期待。

過去の偉人が嘆く日本じゃなくて、彼らが安心できる日本に

今ならまだ変われるんじゃないかと期待と反省を込めての感想です。

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あと映画と小説の違いが好きでした。

映画で表現されていて、小説にはない部分。

小説にはあって、映画にない部分。

登場人物から異なるため、軸は一緒でありながらも違う内容で描かれています。

そして西村理沙と坂本龍馬の関係。

映画でも描かれていますが、それが原作ではより深く知れる内容になっていました。

龍馬が蘇ったのは日本を回復させるためだけじゃなかったんだと。

2人のストーリーにも注目です。

小説


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