のほりひがし。 東の感想ブログ

映画『キングコング』シリーズ 進化し続ける巨神【あらすじ感想】

映画感想

 
『キングコング:髑髏島の巨神』から始まって、シリーズを一通りグルリしてきました。

キングコングシリーズ一覧
 
1933年『キング・コング』
1933年『コングの復讐』
1962年『キングコング対ゴジラ』
1967年『キングコングの逆襲』
1976年『キングコング』初代リメイク版
1986年『キングコング2』
2005年『キング・コング』初代リメイク版
2017年『キングコング:髑髏島の巨神』
2021年『ゴジラVSコング』
2024年『ゴジラ×コング 新たなる帝国』
 
『コングの復讐』だけ観れていないけれど、それ以外を鑑賞。

やっぱり原点を知らなければと。

けど基本1つの作品で完結なので、どれから入っても楽しめます。
 

『キングコング:髑髏島の巨神』『ゴジラVSコング』『ゴジラ×コング 新たなる帝国』は作品ごとに完結してはいるけど繋がってました。

『ゴジラVSコング』は髑髏島から再び始まって

『ゴジラ×コング 新たなる帝国』では『ゴジラVSコング』の登場人物が続いて登場。

なので3作のどれかから入るのなら『キングコング:髑髏島の巨神』から観るのが、より楽しめるのでオススメです。

 

 

 

 

『キングコング』シリーズの感想

 
ゴジラも登場する作品は、ゴジラのいることがすでに受け入れられている世界だったので

すんなりその世界に入り込めるかどうか。

そこまでの経緯はゴジラシリーズで描かれているのかな。

自分はまったく観たことがないわけじゃないけれど

ゴジラがいることを受け入れている世界に馴染むまで、少し時間がかかりました。

・・・

初代から始まって、新しく作られるたびに進化していくキングコングの姿や迫力。

1933年に公開された1作目は、1976年と2005年に2回リメイクされています。

どちらもまったく同じストーリーではなく作品ごとに改変されていき

生まれ変わるたびに面白くなっていったキングコングシリーズ。

人形などを少しずつ動かして撮影するストップモーションアニメから始まったのが1933年の初代です。

そして1976年版、2005年版と72年の間で

どれだけ映画技術が進化したのかが、これでもかというほどに映し出されています。

・・・

ちなみに「コング」は造語と言われているのですが、デンマーク語で王を意味する言葉。

「キング」と「コング」が並ぶことで

王を強調する名前ともとれるものになっていました。

名付けたのは初代の監督、メリアン・C・クーパー。

コングの響きを気に入ってつけたとのことです。

こうして1933年から始まり、何作も誕生しながら受け継がれてきたコングのお話。

たくさんの方の力で、よりその名前に相応しく変化していくキングコングの姿がありました。

・・・

キングコングの原点は、美女との悲劇の物語です。

1作目の冒頭は

野獣は美女の顔を見上げると殺そうとしていたその手を止めた。

それ以来野獣は死んだも同然となった。

『キング・コング』(1933)

 
という古代アラビアのことわざから始まっていきます。

 
始めは先史時代の類人猿として描かれていたコングですが

1962年の東宝映画『キングコング対ゴジラ』で怪獣として描かれたのを機に、怪獣と認識されるようになりました。
 

 
最初は人類に近い存在ではあったものの、類人猿から怪獣、

そして巨神とも呼ばれるようになったコング。

そうした存在の強大な力が人類に襲いかかるストーリーには馴染みがあるけれど

か弱い人間の女性との間に愛情のようなものを求め

それが恐ろしい力を持っているはずのコングを危険に晒すことになるというのは、不思議な感じでした。
 
男性にはまったく興味を示さず、そして女性でもたった1人という。

けどその1人は生け贄として捧げられた人物です。

生け贄って聞くとやっぱり残酷だけど

その女性の在り方も、シリーズを通して徐々に変化が見られるようになっていきます。

『キングコング:髑髏島の巨神』からは、そうしたシリーズのイメージが新しく変わっていくところに入っていってました。

 

『キングコング:髑髏島の巨神』が生んだシリーズの変化

 
もともと原住民から神と崇められていたコング。

それが『キングコング:髑髏島の巨神』からは

より神格化された存在感で描かれていくようになります。

2度のリメイクを経た後のキングコング作品を手がけたジョーダン・ヴォート=ロバーツ監督。

彼は1970年代を舞台に新しい要素を取り込み、シリーズに変化を生み出そうとしていました。

・・・

当時の政治や社会的な動向の変化も反映されている映画です。

女性が生け贄に捧げられる描写はなくなり

コングと美女の物語よりも、コングのもつ本来の強さを現代に認知させるための1作になっています。
 
また科学の力に敗れる自然界の王の姿ではなく、凶暴な破壊神のままに君臨して島の部族を守るコング。

島を荒らすものは人でも他の怪獣も容赦なく駆逐。

『キングコング:髑髏島の巨神』は人間、コング、怪獣の三つ巴のバトルが展開していきます。
 
受け継がれてきたコングの物語から舵を切ったロバーツ監督の作品は

後に続く『ゴジラVSコング』と『ゴジラ×コング 新たなる帝国』で

コングと同じように進化してきた巨大怪獣に匹敵する存在感を確立することに繋がっていました。

・・・

他の怪獣作品をそこまで観れていないのですが

コングのように人と近い関係を保っている怪獣のいることが意外でした。
 
人の力の及ばないところにいる凶暴で恐ろしい存在でありながら

女性を捧げることで、部族を守る誓いを立てているというのか

暗黙のルールが人との間にある怪獣って他にいるのかなと。
 
もともと類人猿として登場したコングではあるけれど、人間との関係を保ち続けている珍しさ。

またコングの生むストーリーも美女のために戦ったり、島で暮らす人々を守るために戦い続けていたりと

コングのストーリーが人間的で、ここに書いてる時にもコングではなく

つい彼って書いていたこともあったくらい。
 
人のために戦いながら人に殺意を向けられ、怪獣からは人を守るために戦うコング。

巨神として描かれるその在り方に、コングは自由に暴れ回る怪獣とは違うんだと思いました。

そこに囚われの怪獣として像も浮かびながら、ある種の美しさのようなものを感じるという

自分にとっては、新しい怪獣の像をコングに見た作品でした。

 

『キングコング』配信一覧

U-NEXT シリーズ配信ページ
Netflix『キング・コング』(2005)配信ページ
 Netflix『キングコング:髑髏島の巨神』配信ページ
 Netflixアニメ『髑髏島(スカルアイランド)』配信ページ
Amazonプライム シリーズ配信ページ
TELASA シリーズ配信ページ
Hulu シリーズ配信ページ

 


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