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映画『毒娘』ちーちゃんにあぶり出された一家の本当の姿【あらすじ感想】

マンガ・映画感想

映画『毒娘』の世界に行ってきました。

監督:内藤瑛亮
キャラクターデザイン:押見修造

2011年にネットの匿名掲示板で話題になった、ある家族の出来事が基に作られている作品です。

その内容がすごかった。。。

・・・

家族の引っ越した先、そこが不運の始まりに。

ちーちゃんという1人の少女が、ハサミでザクザクあらゆるものを切り刻んでいきます。

それは物だけじゃなく、人の心や命にまで。

彼女によって一家に潜んでいたものが、あぶり出されていくのでした。

あらすじ

ある中古の一軒家に引っ越してきた3人家族。

娘の萌花、父の篤紘、そして母の萩乃は新しく家族になった継母です。

その頃ちーちゃんの存在は既に、近所の危険人物となってました。

そんな彼女に目をつけられてしまったのが萌花です。

萩乃にかかってきた1本の電話。

萌花の切羽詰まった声に、金属の擦れる音。

それがちーちゃんのお遊び開始の合図でした。

感想

家族の日常風景がゆったりと流れていきます。

ちーちゃんが暴れる前からも、なんとなくザワザワ。

幸せそうな家庭に見える、けど違和感。

それがちーちゃんに見つかったことで、深層部に隠されていたものが徐々に露わに。

無理矢理塞いでた部分をハサミでザクザクと、ちーちゃんが傷口を開いていったようでした。

・・・

そしてちーちゃんと萌花の関係。

いきなり家に入り込んで暴れて、あげく馬乗りでハサミを突きつけられた萌花。

突然起きたトラウマ級の出来事ですが

それでも2人の関係は多くの会話もないまま

お互いにしか分からないもので結ばれていきます。

ちーちゃんが、明らかにヤバい子でも

不登校だった彼女にとって、年も近く多くを語らず

普通でない少女のほうが、学校の女子よりも接しやすそうに見えました。

2人だけに通じる何かがあったのは確かで。

カオスな中わずかに青春の香りがした時は、ちょっといいなって思いました。

・・・

大人に隠れて行われた2人だけの作戦会議。

そして実行されたイタズラ。

篤紘の知人が庭に集まっている時に、家中を荒らしたり

大人には大迷惑でしかないことでも誰かの血が流れたりしないシーンでは、それも少し微笑ましくありました。

部屋中に布団の白い羽毛が舞ってるシーンは

やっちゃったよ〜って気持ちと、なんとも言えない痛快さの混ぜ混ぜでした。

・・・

そしてコミックは映画へ続くストーリーとなっています。

萌花たちが引っ越してきた家に、まだちーちゃんが住んでいた頃の話です。

その頃から既に片鱗が。

主にちーちゃんの学校での様子が描かれています。

彼女が過去、どんな子に心を開いていたのか。

そして他の同級生にやってしまったこと。

ちーちゃんの一家が、引っ越した理由が描かれています。

本編の前のストーリーなので、映画に出てくるセリフに繋がる面白さがありました。

・・・

けど欲を言えばで、ちーちゃんの家で起きてたことが気になって。

両親や家の中の様子から、やんわり想像はつくものの

様々な問題を起こす彼女が、そうなってしまった決定的な原因はなんだったのか。

彼女の動機が気になってました。

ちーちゃんの住んでいた家に何かがあるのか。

ちーちゃんにとっての、その部分が気になったけど

人の幸せを切り刻んでいくのが楽しいだけなのかもしれない。

それが一番怖いなと思いました。

彼女と萌花は、少し似た部分を感じてます。

けど萩野の、萌花を何がなんでも守ろうとする思いの強さは

ちーちゃんの知らないものなのでした。

・・・

また子供を生むこと育てること、幸せな家庭を築くこと

そういうこととの向き合い方にも意識の向くストーリーに感じてます。

家族との関係を育んでくことの難しさや

それをどこかで間違えてしまった時のことを思う作品でした。

コミック


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