のほりひがし。 東の感想ブログ

映画『デーヴ』見た目は同じ、頭脳は別人、その名はデーヴ。【あらすじ感想】

映画感想

今回は1993年に公開された
『デーヴ』について書いていきます。

監督はアイヴァン・ライトマン。
1984年に公開された
『ゴーストバスターズ』
一躍有名になった方です。
『ゴーストバスターズ』が
そんなに昔の作品なことに驚き。

主演はケヴィン・クライン。
主役のデーヴと大統領を
彼が演じているわけですが
見た目が同じでも
中身が違うだけで
こんなに変わるのかと。

ネタバレがあるので
それでも良い人だけ進んでください。

あらすじ

意識不明の重体になってしまった
大統領の代わりに
一般市民のデーヴが、大統領を務めることになります。
彼が大統領として過ごしていく中で
周りの人たちに変化が生まれてくる物語です。

 

登場人物・キャスト・声優

■デーヴ・コーヴィック
ケヴィン・クライン
声:納谷六朗/古川登志夫

大統領のそっくりさん。
明るく能天気そうに見えて
実は周りを気にかけている人。
周りの人にたくさん助けられてるおかげで
いつも元気なようにも見えてた。

■デュエイン・スティーヴンソン
ヴィング・レイムス
声:大友龍三郎/天田益男

大統領のボディーガード。
感情を表に出さないからか
最初は少し怖いイメージがあった。
けどお構いなしに
グイグイ突っ込んでいくデーヴはすごいなと。笑
2人の仲が深まっていく様子が好きでした。

■エレン・ミッチェル
シガニー・ウィーバー
声:弥永和子

大統領夫人。
スティーヴンソンと同じく、最初は怖かった。笑
けど、今までたくさん耐えてきたんだろうなと。
こんなに素敵な人がいるのに
大統領めえってなりました。

■ビル・ミッチェル大統領
ケヴィン・クライン
声:納谷六朗/古川登志夫

ふんぬ。

 

『デーヴ』の感想


DWilliamによるPixabayからの画像

同じ見た目でも、内面が変われば周りも変わる

主人公のデーヴ・コーヴィックは
大統領の身代わりでした。

見た目も声もそっくり。
その分、中身の違いがよくわかります。

危険を避ける為、無防備な時の
替え玉として雇われたデーヴ。
けれどその後、大統領は倒れて
昏睡状態になってしまいます。

けどそのことを公にすることができず
デーヴがその間の、大統領役を務めることで
ストーリーが進んでいきます。

大統領とデーヴの性格は真逆でした。
内面のほとんどが、違うものでできているくらいに感じる。笑

大統領はというと
裏では結構やってしまっていました。
エレン・ミッチェルとの
冷め切った夫婦関係に
一番身近な補佐官は腹黒
誠実な人を裏切るようなことをしたり

ドロドロです。

人のためよりも
自分の人気の為に動いていたり。
なのにその労力は
あまり使いたくなさそうな。

大統領はすぐに倒れてしまったから
彼自身に触れる時間は少なかったけれど。
周りの人や状態が、大統領が
普段どう思われているかを物語ってた。

 

そんな所に、中身が別人の
デーヴが飛び込めば
色々なことが変わるわけで。

最初はキツイ印象だった夫人も
実は優しい心の持ち主なことがわかったり。
腹黒な人は、それが隠せないくらい
表に出てきたり。
腹黒仲間で組んでいた人は
もうこれ以上はできないと
自分の行いを少し改めたり。
堅物で隙のない人とも
和やかな会話ができるようになったり。

彼は周りに大きな影響を与えることになります。

 

デーヴの本当のことを知っているのは
限られたごく一部の人だけど
彼のしたことが、いい流れで広がっていく様子が
見てて気持ちよかった。

その世界に染まりすぎていない
彼だからできたことなのかなと。
純粋に人のためにと動く彼の雰囲気は軽く
周囲の人たちとは違うものがありました。

 

本当に自分のことを見てくれているのか


JayMantriによるPixabayからの画像

デーヴは、あくまで大統領の代わりです。
それでも、代わりでは収まりきらないことを
自分から進んでできてしまうような、そういう人でした。

大統領や、側近の人たちが嫌がっていた案も
色々工夫して、どんどん話を進めてしまったり

みんなの注目の的です。
けどその成果は全部、大統領のもので。
デーヴ自身が評価されることはありません。

 

それでも彼がイキイキと責務を果たし
自分のやるべきことを進んでできるのは
本当の彼のことを知っている人が
周りにいるから
な気がしてた。

そしてその中に、腹黒側近がいたとしても
心を許せる人や、大切に思える人
支えてくれる人たちがいるということが
彼にとって、すごく大きいことのように感じました。

 

大統領の代わりを務める前から
知り合っていた人も、力を貸してくれたり。
その彼はというと
デーヴにたくさん苦労を
押し付けられてきたようにも見えるけど。笑

何かあれば駆けつけてくれる人が
いるのは、やっぱり心強いなって。
大統領になり切っているデーヴに
周りの人が、時々苦笑いになってる感じも好きでした。

 

そしてボディーガードの
デュエイン・スティーヴンソン。

そこまで親しくなかった時は
デーヴの為に死ねるのかという質問に
即答できず、つっかえてしまってたスティーヴンソン。
大統領のためなら死ねるけど
デーヴのためは難しいと。

聞いてて、辛いなって
思ったところだった。
けどそれを受け入れるデーヴは強いなと。

また、そこで嘘をつかなかった
スティーヴンにも好感が。

優しい嘘もあるけど
そこでスティーヴンソンに対して
少し安心感が生まれていました。
そこから2人の関係性が
変わってきたような気がしています。

大統領の代わりでも
デーヴのままだった彼だから
たくさんの人が、支持してくれるようになったのだと思いました。

 

正しさってなんだろう


Ryan McGuireによるPixabayからの画像

最後にデーヴが大統領として
お話しをする場面があります。

大統領ではあるけれど、雇われの身であること。
そして、人気を得ることに力を注ぐよりも
正しいことに力を尽くすべきだったと。

大勢の人からの評価の為に
身近な人たちに悲しい思いをさせちゃいけないなって。

人気があることで
それが社会的な信頼にもなるだろうから
大切なことではあるけど。

その為に誰かを悲しませることを
選ばないといけないこともあるだろうし。
何よりそういう選択をする時は
本人が一番辛いだろうし。

自分が何かをすることで
周りに笑顔の人が増える状態が
正しいことができたのかなって。

正しいと思ってたこと自体が
間違ってたなんてことはよくあるけど。
なるだけ笑顔の人が
増えるような選択をしたいなと思いました。

 

そして『ニューヨークの恋人』の記事では
決められたレールの上を歩かないことが
良いこと
のように書いたけれど
この映画では、決められたレールの上を歩くのも良いことだと。

これっていう正解はないんだなって。

その人にとって良いと思うものが
自分と周りの人や、社会のプラスになるのなら
どういうルートを選んでも
良いんじゃないかなと思いました。

 

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