のほりひがし。 東の感想ブログ

『CLAYMORE(クレイモア)』求めていたものは自分の中に【あらすじ感想】

マンガ・アニメ感想

 
『CLAYMORE』の世界に行ってきました。

作者:八木教広
全27巻

2001年から2007年7月号にかけて『月刊少年ジャンプ』で連載され

『ジャンプSQ.』に移籍した後の2007年12月の創刊号から2014年まで連載された漫画。

八木先生の連載2作目の作品です。

2007年にアニメ化、そして2025年3月にはアメリカで実写ドラマ化の決定が発表されました。

製作総指揮を務めるのはマシ・オカ。

彼は2017年にNetflixで実写ドラマ化された『Death Note/デスノート』にプロデューサーとして参加し、カメオ出演もされている俳優です。

 

『CLAYMORE』のあらすじ

 
人間を喰う妖魔と、半人半妖の戦士がせめぎ合う中世のヨーロッパのような世界がありました。

人間を守るため組織によって生み出された女戦士。

大剣を振るい、妖魔を倒す彼女たちを人々はクレイモアと呼びました。
 
主人公のクレア(声:桑島法子)は、クレイモアとして組織から派遣された村で

家族を妖魔に殺された少年、ラキ(声:高城元気)と出会い

ふたりは行動を共にするようになります。

その様子はかつてクレアが慕い、共に過ごしたクレイモアとの過去を彷彿とさせるものでした。

 

『CLAYMORE』の感想

『エンジェル伝説』から規模が拡大した『CLAYMORE』の世界観

 
八木先生の作品に触れるのは、これで2回目になります。

前回の『エンジェル伝説』では、悪魔のような見た目で有名な主人公の学校生活が描かれていて

そこで様々な伝説をつくっていくお話でした。

『CLAYMORE』では舞台が異世界に変わって、規模も拡大。

聖都ラボナを中心に東西南北に広がった大陸が存在しています。

東を除く北西南のそれぞれの地には、クレアたちを遥かに凌ぐ強さをもったものが潜み

互いに敵対しながらも均衡を保ってきた世界です。
 
登場人物の行動範囲の広さや、奥深い世界観、バトルの規模にキャラの多さと

全部のスケールが大きくなった八木先生の連載作品2作目。

大陸の47の地区に合わせて47人で構成されているクレイモアの戦士は、クレアの代だけでなく

その前後の世代や、ずっと昔の戦士まで登場します。
 
多くの戦士たちからなるたくさんのストーリーが積み上がっていきながら

終わりまでしっかり手を引いてもらえる作品でした。

 

最弱のクレアとコマにすぎない大勢の戦士たち

 
ナンバー1〜47の強さで割り振られた戦士たちは1がもっとも強く、ナンバーを基に強さを認識します。

組織から派遣される時や、戦士が集まって作戦を立てる時に誰がどの役目を担うかなど

強さを順位で把握できることは重要な意味をもっていました。

・・・

聖都ラボナを妖魔の脅威から救ったのはクレアです。

そこでの妖魔討伐はすんなりとはいきませんでしたが

同行していたラキやラボナの人たちにとって、クレアはとても強い存在です。

ラボナの兵士が束になっても、どうすることもできなかった妖魔を

彼女は周囲に助けられながらも倒した戦士。

ラボナの人々は長い年月が経っても、この恩を忘れることはありませんでした。

・・・

町の人たちにとっては圧倒的な力をもつクレア。

ですがクレアのナンバーは47です。

クレイモアの戦士たちからは、町の人のように敬服されることはなく

現役戦士の中で最弱と言われているのが、クレアなのでした。

・・・

最弱なことは、クレアがクレイモアになった時から決まっていたことです。

最弱にならずにクレイモアになることもできたはずなのに

それでもクレアは、本来なら手に入っていた力よりも

自分の大切なものをとります。

それが理由で彼女はハンデを負ったような状態のまま闘い続けることになりますが

そのハンデが、後に大きな奇跡を引きずり寄せるのでした。

・・・・・

またクレイモアは人間を守るために生み出された存在です。

クレアは150期目のナンバー47。

彼女の前にはすでに149人のナンバー47が存在していました。

個々の名前はあっても、組織からすれば戦士はコマに過ぎず

強い自我をもつことを良しとしません。

良からぬことを企むことのないようにと

戦力のみを極限まで引き上げたクレイモアが、組織の欲する戦闘兵器としての戦士でした。

・・・

自分はコマにすぎない。

代わりはいくらでもいる。

そんな場所でただ掟を守り、役目を果たして死んでいけるのか。

それが当然のことと教育されてきたのが彼女たちです。

ですが生きている時間が長くなるほど自我が育ち、組織にとっての危険な存在に。

こうして組織の背後にある裏の意図が、一部の戦士の間で広まっていきます。

それでも全員が知ることはありませんでした。

・・・

教えられてきたことや、目に見えるものがすべてで生きている戦士と

自分たちの身に降りかかったことを受け入れるよりも、込み上げてきた怒りに従って動き出した戦士とでは

後に見えてくる世界が違うものに変わっていきます。
 
命運の分かれる戦士たちのあり方や

一方の考えを持つ戦士の波紋の広がっていく様子

多くのクレイモアを束ねる戦士の覚悟など

戦士の間で生まれていくストーリーに、心揺さぶられてました。

 

歴代最強の戦士テレサとかつては行動を共にしていたクレア

 
クレアは最弱ですが、彼女の宿敵を倒すため

一点を極めるようにして戦闘力を高めていきます。

ですがナンバー1でも倒すのが困難な相手に、ナンバー47のクレアが敵うはずがなく。

それでも彼女は諦めませんでした。
 
一見クールそうなクレアの内面は熱く

感情に駆られて無鉄砲に突っ込んでいくような場面もあります。

そして内に大きな熱を秘めたクレアには、誰よりも大切なテレサ(声:朴璐美)というクレイモアがいました。

・・・

クレアに仲間ができるまでは、テレサが彼女のすべて。

テレサは歴代のクレイモアの中で最強と言われた戦士です。

最強である所以は、テレサの闘いを見れば一目瞭然。

ですがテレサはクレアと共に行動するようになり

最強と言われてきたその強さを失っていきます。

そしてそれが原因で、ある悲劇が起こりました。

・・・

クレアを燃やすものの根っこには復讐心があります。

もっと強くならなくちゃならないのに、ナンバー47の現実が彼女に突き刺さります。

長い年月をかけて鍛え抜き、以前より強くなったとしても

彼女には辿り着けない場所がありました。
 
それでも諦めないクレア。

そこまでする彼女だからこそ、奇跡のようなことを起こせたんだと思います。
 
限界を超えるようにして鍛え上げても、どれだけ絶望を味わっても、必死にもがいて求めても手に入らなかったもの。

クレアの求めていたものの答えは、ずっと身近なところ

彼女の中にすでにあったのでした。

 

『CLAYMORE』のコミックス

 

『CLAYMORE』の配信一覧

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