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劇場版『チェンソーマン レゼ篇』爆盛りのバトルに心射抜かれた【あらすじ感想】

映画・漫画・アニメ

 
劇場版『チェンソーマンレゼ篇』の世界に行ってきました。

公開日:2025年9月19日
作者:藤本タツキ
監督:原達矢

漫画は2019年から連載が開始。

2022年にTVアニメ化され、映画の公開前には『チェンソーマン総集篇』の配信がスタートしています。

累計発行部数が3000万部を突破している人気作品です。
 
2019〜2021年にかけて『週刊少年ジャンプ』で第一部の「公安編」が連載。

2022年からは『少年ジャンプ+』で「学園編」が連載されています。

「レゼ篇」は漫画の5.6巻にあたる章です。

 

劇場版『チェンソーマン レゼ篇』のあらすじ


 

親の遺した借金返済のため極貧生活を送っていたデンジ(声:戸谷菊之介・幼少期:井上麻里奈/演:土屋直武・幼少期:岩田陽葵)
と、相棒の悪魔であるポチタ(声:井澤詩織)。

しかし彼に仕事を紹介していたヤクザの裏切りによってデンジは死亡。

デンジを助けるためポチタが彼に心臓を差し出すとこで、彼は「チェンソーの悪魔」へと変身して復活し

人と悪魔の間の存在へと変貌を遂げます。
 
その後、公安のデビルハンターであるマキマ(声:楠木ともり/演:平野綾)にスカウトされ公安対魔特異4課に所属。

そこでデンジはマキマとの間である約束を交わします。

最強といわれる「銃の悪魔」をデンジが倒せたら、マキマが彼の願いをなんでも1つ叶えるというもの。

興奮の抑えきれないデンジは二つ返事で引き受け

「銃の悪魔」の手がかりを手に入れるため、出現する敵に向かっていくのでした。

・・・

以前の戦闘で、デンジはもう人の心をもっていないのだと突きつけられ

それから彼はそのことを気にしていました。

けどマキマとのデートで、その不安は払拭され

デンジが元気を取り戻した頃に、突然の出会いが訪れます。
 
急な雨の中でのこと。

公衆電話で雨宿りをしていたデンジの前に、同じようにして公衆電話に駆け込んできた少女のレゼ(声:上田麗奈)。

その後2人が親密になるまでに時間はかかりませんでした。

マキマとレゼの間で揺らぎながらも、レゼと過ごす時間は増えていき

デンジは後戻りできないところまでくることになります。

 

劇場版『チェンソーマン レゼ篇』の感想

熱烈ラブコールに始まり「刃渡り2億センチ」が推定70%解禁された「レゼ篇」

 
劇場版アニメ化された本作。

大きいスクリーンで米津玄師の主題歌「IRIS OUT」に始まり、米津玄師と宇多田ヒカルによるエンディングの「JANE DOE」があり

冒頭からこの感じっと、TVアニメ化していた頃の感覚が蘇ってきてました。

それでいて「レゼ篇」であることが楽曲でも明示されているため

これはレゼのための映画なんだと

レゼの登場する前から、彼女への熱烈なラブコールを浴びて始まっていきます。
 
人にはそれぞれ心の扉がありますが

その先の真実に繋がる扉が閉ざされたままになっているのがデンジの心。

ですがレゼの沼の扉は映画の開始早々からバタンバタン

フライングで開いて閉じて手招いているようにみえるスタートでした。

・・・

そして挿入歌のマキシマム ザ ホルモンによる「刃渡り2億センチ(全体推定70%解禁edit)」。

アニメ3話のエンディングや、これまでの挿入歌として公開されていたのはTVサイズ版。

その続きが劇中で公開されています。

TVアニメの時にフルが見つからなくて探した分の驚きと

「レゼ篇」が映画化されるのを見越して作られていたんじゃと思いたくなる映画のハマり具合でした。

 

かつてのデンジが本気で望んだものを持っている女性とそうでない女性の違い

 
「レゼ篇」はマキマとレゼの間で揺れるデンジが描かれています。

なので2人の存在が対照的に見えるのが印象的でした。

・・・

この章に出てくる好きなセリフに

「俺が知り合う女がさあ!!全員オレん事殺そうとしてんだけど!!」

とデンジが戦いの最中に叫ぶ言葉があります。

これまでにも賑やかな女性キャラが、デンジの周りにはいて

たしかに何度か殺されかけた時がありました。

殺されそうになりながらも、そうした関わりのある女性たちの中に

デンジを本当に想っていた人はどのくらいいたのか。
 
レゼはデンジと出会ったばかりにも関わらず、本当にデンジを想っていたことが伝わってくる女性です。

けど彼女にその自覚があったかのは分かりません。
 
デンジと関わりのある女性を見ていくと、彼を本当に想う人は

デンジの望むものを持っていないという特徴がありました。
 
それが胸です。

彼が公安のデビルハンターになって決めた最初の本気のゴールは、胸を揉むこと。

彼はマジでした。
 
そこで条件と引き換えにして、デンジに胸を揉ませることになったのは

彼のバディである公安大魔特異4課所属の「血の魔人」パワー(声:ファイルーズあい/演:甲田まひる)。

ですがいざその時がきてみれば、彼女の胸はパッドで盛られていたことが発覚します。
 
それでもデンジはパワーの胸を揉み、本気の望みが叶ったはずが

満たされることはありません。

けどその後、マキマの豊満な胸に触れてみれば

片手だけでも転げて赤面しながら震えるデンジ少年がいました。

・・・

「レゼ篇」ではレゼが服を脱いでプールに入るシーンがあります。

あの大きなスクリーンで、ゴクリ。

その時に大きく映った彼女の体は華奢な印象でした。
 
ですがデンジと敵対する武器人間へと変身した時には、レゼの胸も大きくなっていて

豊かな胸と一緒に襲ってくるという。

様々な女性に囲まれ、デンジの価値観に大きく影響していそうです。

・・・

本気で望んだものを相手が持っているかどうかが大切な人もいれば

そうじゃないところに、本当に大切なものが潜んでいる場合もあるんだと

レゼたちを見ていて感じました。

 

ストーリーを支える構造の美くしさ

 
TVアニメからより原作に近づいて映像化されている劇場版。

劇場版は漫画には描かれていないものが、いろんなところに加わっています。

映画を観ることで、自分の中にあった完成しているレゼのストーリーに

新しい気付きや、心動かされる部分が増えていました。

アニメが進化し「レゼ篇」として1つの作品になったことで

この章の魅力が増幅しています。

『チェンソーマン』が好きで観ないのは損な映画でした。

・・・

この章のもつ魅力を書くうえで欠かせない部分に、ストーリーの構造があります。

普通を知らないデンジが青春を知り、どん底に落とされながらも

ハチャメチャなバトルの末にまた成長していくのですが

それらのストーリーを支える土台に惹かれてました。

・・・

映画の開始から起きていったことを

ストーリーの折り返し地点の後に、反転させるようにして

順々に回収しながら進んでいく「レゼ篇」。
 
観終わった後にはやっぱり苦い気持ちが強く残りますが

この章の根底にある美しさや、劇場版の進化も相まってレゼが好きになっていました。

・・・

そして反転して回収されているのはストーリーだけじゃありません。

それが主題歌とエンディングにまで及んでいることには、もう唸るしかありませんでした。

 

期待値メーターもスキも爆発したバトルシーン

 
映し出される一つ一つに意味のある演出がされているんじゃと思うような

細部まで作り込まれている作品です。

また余白の残され方が秀逸で、1つの描写から複数のことが考えられるようなものもありました。
 
漫画から引くのではなく、足して足して足し切ってたどり着いた劇場版の境地。

バトルは爆盛りによる「レゼ篇」の極致です。
 
映像になることで知れる部分はもちろん

自分の期待値メーターは軽く弾け

映画の好きと比例して、レゼやデンジたちの好きが爆上がりしていっていました。

・・・

青春モードはゆったり。

対するバトルシーンはそのゆったりを切り裂いて覆していくような、爆破に次ぐ爆破。

レゼは彼らの戦いを知らしめるようにして、ところ構わず派手に爆破させていきます。
 
すべてを爆ぜ散らかしていくようなバトルに圧倒されて、すうっげえええってなるけれど

一方で彼らが街中の多くの人を巻き込んで犠牲者を出している場面も目撃。

レゼたちの罪を捉えながらも

その狭間でバトルシーンに魅せられ続けるという。

それでも上がらずにはいられず。

割り切って、バトルのカッコよさに陶酔するのでした。

 

殺されかけてもレゼとのハッピーな時間を大切にしたデンジ

 
デンジはレゼの抱えていることや、彼女の複雑な状況をどの範囲まで理解していたのか。

きっとまったく理解していないと思うけれど

大切なのはレゼがデンジに何をしたのかで、彼にとってはそれだけでした。
 
最悪な出来事はきっと彼の心の傷に。

この章より前にある女性から受けたゲロチューは

また新しい生死を彷徨うチューで更新され

デンジの周囲の女性からもたらされる恐怖の数々は健在です。

けどそれだけでなく、レゼとの良い思い出の部分を彼は心に留めていました。
 
レゼがどんな思惑でデンジに近づいてきたかよりも

デンジにとっては、レゼが実際に彼に何をしたか

そして自分が彼女を好きかどうかということのほうが重要なのでした。

・・・

デンジは欲にまっすぐな、おバカでアホで痛い目を見まくっても学習しない

ジャンプの主人公では珍しいキャラクターです。

さらには頭のネジもおかしいことになっている。

けどレゼはデンジのそういう部分だったり、似た境遇にある彼に救われていたんだろうなと思う2人のお話でした。

 

『チェンソーマン』のコミックス

 

『チェンソーマン』の配信情報

 
『チェンソーマン総集篇』
劇場版『チェンソーマン レゼ篇』公式サイト 『チェンソーマン総集篇』配信情報ページ

TVアニメ
アニメ『チェンソーマン』公式サイト 配信情報ページ

舞台
ネルケプランニング公式サイト 「チェンソーマン」ザ・ステージ 配信情報ページ

 


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