のほりひがし。 東の感想ブログ

【ネタバレ注意・あらすじ感想】映画『バブル』重力の壊れた東京に弾けたウタの泡

マンガ・アニメ感想

やっほの東です。
今回は映画『バブル』
Netflix版について書いていきます。

監督はアニメ『進撃の巨人』で有名な
荒木哲郎(あらき てつろう)さん。
2022年5月13日からは
劇場版の公開が決まっています。

Netflix版と劇場版の違いは
なんだろうと思ったけど
今のところ見つかっておらず。
劇場で実際に観ての
お楽しみでした。
もしかしたら
ストーリーに変更は無くて
映像をスクリーンで楽しむことの
違いかもしれません。

ネタバレがあるので
それでもいい人だけ進んでください。

あらすじ

たくさんの泡が世界に降り注ぎ
重力の壊れた東京。
そのきっかけになってしまった
2人の物語が描かれています。

 

登場人物・声優

■ヒビキ
声:志尊淳

音に敏感なのか
騒音が苦手みたいだった。
その為ヘッドフォンを
子供の頃からよくつけている姿が。
ウタが現れてから
チームのみんなと馴染んできた
変化が好きだった。

■ウタ
声:りりあ。

登場した時の野生的な
雰囲気から、最後の頃には
彼女にも変化が。
最初から最後まで可愛かったウタ。
ヒビキとウタの
名前の組み合わせが好きだった。

■マコト
声:広瀬アリス

ブログには出てきてないけど
彼女は降泡現象のことを
調べている科学者です。
彼女がウタに『人魚姫』を
読んであげたことで
少しづつ変わっていっていました。

■シン
声:宮野真守

生活必需品を賭けて競う
バトルクールの審判を務める人物。
なのでヒビキと
同じブルーブレイズの
メンバーではないけど
一緒に行動をしているアニキ的存在。

■カイ
声:梶裕貴

ブルーブレイズのリーダー。
いつも眉毛つり上がり気味で
最初怒りっぽいのかなと思ってた。笑
けどそうじゃなくて
チームのことを考えて
動いてて、いつも全力の熱い人でした。

■ウサギ
声:千本木彩花

チームのみんなと
少し歳が離れている男の子。
みんなに可愛がられてそうな。
幼いのに、この状況の中
みんなに着いて行こうとするがすごかった。

 

感想

人魚のウタと不思議な聴覚をもつヒビキ


『バブル』公式ツイッターより出典

現代版の人魚姫。
けど王子様と人魚
2人だけの話じゃなくて
世界を巻き込んでいく物語だった。

舞台は東京。
建物は荒廃し、海に沈みかけ
船が行き交うような街になっていました。

5年前に、世界を襲った降泡現象。
大量のバブル(泡)が
降り注いだのと同時に
都市を破壊する程の
大規模な爆発が発生。

東京の重力は崩壊し
そこは身寄りのない
若者たちの集まる場所に。

東京の人口が極端に減る
現代とは逆の現象が起きていたのです。

やがて東京は戦場へ。
お互いの生活必需品を賭けて
競い合う東京バトルクール
が行われていました。

そして参加しているチーム
(ブルーブレイズ)に
主人公ヒビキの姿が。

彼はチームにいながら
単独で注目を集めてしまうような人です。
そのスリル満点な
プレイスタイルに
観客からは、歓声が沸き上がっていました。

そんな彼を遠くから
見守っていたのがウタです。
彼女は、いつからそばにいたのか。
もしかしたら5年前の
降泡現象の時に起きた事件から
ずっとなのかも。
彼女は人ではなく
最初は泡の姿をしてました。

そして2人の再会は突然に。
ヒビキはある日
重力の歪んだ海へと
落下してしまいます。
意識を失った彼を助けたのがウタでした。

彼女は、泡から人の姿へと変わり
正体を隠したまま
ヒビキと行動を共にするようになります。
この時の彼女は、ヒビキにとって
2度目の命の恩人でした。

ウタの並外れた身体能力も
評価され、彼女はブルーブレイズの
一員としても活躍するように。

こうして一緒に過ごしていくうち
彼女は、人魚の物語を知り
人の心を知り
その結末を辿ることになります。

好きな人に
触れることもできない悲しさ。
秘密を抱える彼女の心境。

そして、本人も知らないところで
いつの間にか守られていたヒビキ。
真実を知ってからの
すぐのお別れは
自分だったらなかなか受け入れられない。

水に沈みかけてる都市の
情景もあって、虚しさが増してた。
けど映像がキラキラしてて。
悲しいんだけど、きれいだって
思う気持ちの方が強く残る最後だった。

ただ悲しいだけじゃなくて
未来の予感を感じさせてくれる
終わり方が好きでした。

 

水の世界の映像美

海に沈みかけている東京。
それはウタのお姉さんの怒りに
触れたことが原因
でした。
人魚と人間が関係を持つのは
許されないこと。

まだ子供だったヒビキとウタ
の出会いが、彼女を怒らせ
東京で大規模な爆発を起こした
のです。

それが起きたのは
東京に大量の泡が降った日。
普通じゃありえないその光景は
キラキラぷかぷかと幻想的だった。

青はウタの澄んだ心
赤はお姉さんの怒りで。
赤で表現された
その禍々しい映像も
キレイだと思ってしまった。

けど最後の方で
超大量の泡がお姉さんと
共鳴していた時は
ものすごい数のウジャウジャに
ゾワゾワしてた。笑

泡=優しくてか弱いイメージが
あったけど、とんでもって。
泡をナメてた。

もちろん、怒りのシーン
だけじゃなくて
穏やかな場面もたくさん。
海に沈みかけてるのに
雲も浮かんでて不思議な感じ。
空に届く高さまで
水はかさを増していたのです。

海底には、歩いていたはずの地面が。
廃墟のビルや、電車なども漂っていました。

空と海底が合わさったような。
崩壊した時に起きた出来事は
その被害も残酷なものだったけど
再生へ向かう東京の街は
楽園のようにも見えるシーンもあった。

騒音が苦手なヒビキ。
彼はよくヘッドフォンをして
音を軽減してました。
もし東京が再生したら、彼にとって
もっと生きやすい場所へと
変わっていく気がしてる。

そしてバトルクールで
思いっきり駆けてくシーン。
映像のスピード感が好きだった。
バトルクールのシーンには
なんとなくの近未来感も。
傷んで崩れかけてる建物を
障害物のようにしてのバトルは
過去と未来が合わさってるような
不思議な感じがしてた。

 

マイナスの声を聞くことについて


『バブル』公式ツイッターより出典

SNSで見かける『バブル』の
Netflix先行配信時の感想は
マイナスな意見も多くありました。

配信までの予告で見ていた
映像からなのか
作品に携わっている人たちから
浮かぶ内容をイメージしていたのか。

考察しながら答えを
回収していくような
そういうストーリーではなく。
本当にシンプルな作品です。

見終わって、頭の中が
キレイに泡で洗われるような感じがしてた。

自分の場合は、構えることなく
脱力で映画の世界観に浸れていました。


『バブル』公式ツイッターより出典

他には、人間関係のことで
自分の思ったことを。

2人の周りには
ブルーブレイズのメンバーと
対立する他のチームの人たち。
そしてウタのお姉さん。
登場人物は多いけど
チーム戦で鍛えてるからなのか
団結力があって
乱れることもそんなにはなく。
強いていうなら
チームのリーダーであるカイ
ヒビキに声を荒げてる時が
あったくらいでした。

ブルーブレイズのチームワークの良さ。
けどそれが、少しの
ぶつかりはあっても、すんなり
前へと進みすぎてるようにも感じています。

強いチームならではの
人間ドラマを、もう少し見たかった東です。


『バブル』公式ツイッターより出典

そして最後に
描かれていた時間のことを少し。
物語の中では
ヒビキが子供の頃と、今の話を
行き来することになります。

映る時間の幅は広いんだけど
ウタと一緒に
行動するようになってからの
時間感覚が
自分は短く感じてました。

それがスッと終わったような
感覚になる原因の1つではと思っています。

物語の見せ場が、多かった分
時間の流れを十分に感じるところまで
自分はいけないで
終わりを迎えていました。

一度見終わってから
好きなシーンを見直すとホワ〜っと。
けどそこに物語の中の
時間がセットでなかなか浮かばず。

色々なイベントが
時間ごとに並ぶのではなく
ドンと頭の中にいっせいに
浮かぶ感じがしています。
 
・・・と映画を観て
思ったことを色々書かせてもらいました。
お気に入りのシーンを
何度か見ていると
1回目のサラッと感はもうなくなってて。
そしてやっぱり映像に
心掴まれる作品でした。

 

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