『青の祓魔師(エクソシスト)』祓魔師になったサタンの息子【あらすじ感想】
『青の祓魔師(エクソシスト)』の世界に行ってきました。
作者:加藤和恵
2009年から『ジャンプSQ.』にて連載が開始。
累計発行部数2500万部を超える大人気コミックです。
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物質界(アッシャー)と呼ばれる人間の住む世界と、虚無界(ゲヘナ)と呼ばれる悪魔の住む世界。
本来二つの世界が混じり合うことはないのですが、悪魔はアッシャーの物質へ憑依し人間の世界への過度な干渉を。
それはやがて“青い夜”の悲劇を生むことへと繋がっていくのでした。
もくじ
アニメ1期『青の祓魔師』
15歳の少年、奥村燐(声:岡本信彦、渡辺明乃)と双子の弟、奥村雪男(声:福山潤、藤村歩)。
2人は人間と魔神サタンの間にできた子でした。
サタンの力を受け継いでいたのが燐。
対する雪男は一般的な人間です。
そんな2人を本当の両親に代わって育てたのが、神父兼祓魔師の藤本獅郎(声:藤原啓治、平田広明)です。
けれど彼がサタンに憑依されたことにより、それまでの3人の暮らしが突然終わりを迎えることに。
雪男は雪男の戦い方で強さを求め、燐は獅郎の仇を討つためサタンの子でありながら、その力を使い悪魔を倒す最強の祓魔師になることを誓うのでした。
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アニメ1期では燐が自分の正体を突きつけられるところから始まります。
そして父親同然の人物の死。
そこで決心をと、王道を突き進んでいく作品です。
ですが後から主人公が実はどんな存在であったかが明らかになるのではなく、最初で燐の正体、
そして雪男が実はどんな人物であるかなども提示されそれまでが仮初であったこといつかはくると、なんとか均衡を保っていたのが崩れた時が始まりでした。
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何も知らなかった燐が祓魔師や悪魔の存在を知り、その現実を少年でありながら、受け入れ向き合っていく姿。
そこで祓魔師になるべく入学した名門私立の「正十字学園」。
その中に設けられた祓魔師養成のための「祓魔塾(ふつまじゅく)」に燐は入ることになります。
そこで出会った同じく祓魔師を目指す個性的なメンバーと共に、様々な喜怒哀楽の中で成長していく燐の物語が何よりの魅力でした。
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燐は幼い頃から自分の感情や、人並み外れた力のセーブができず、悪魔だなどと恐れられてきた少年です。
けど彼の中の正義のためならなりふり構わず拳を振り続けてきた燐。
取り返しのつかない後悔をしながら、いろんな壁にぶち当たりながらも、
揺るがぬ決心のもと突っ走っていく様子が迫力あるバトルと一緒に、心の中の葛藤や戦いも余すことなく描かれている作品です。
アニメ1期の後半はオリジナルストーリーのため、1期の終わりと2期は繋がっていません。そのことを踏まえて2期へです。
アニメ2期『青の祓魔師 京都不浄王篇』
1期から6年越しになる全12話の2期。
サタンの息子であること隠して祓魔塾に通っていた燐。
しかしその事実を隠し通すことは叶わず正体がバレて、周囲からの恐怖の対象になってしまいます。
燐の放つ青い炎はサタンの力で起きた”青い夜“を彷彿とさせるものであり燐がサタンと自分は違うと言ったところで声が届くはずがなく、塾内では明らかな溝が生まれていました。
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そんな中で起きた新たな事件。
巨大な祓魔師組織、正十字騎士團の日本支部を地下にもつ正十字学園。
その学園の最深部に封印されていた「不浄王の左目」が奪われてしまいます。
またその一件に留まらず、事件は西側にある正十字騎士團の京都出張所にまで及んでいました。
そして京都出張所の深部に同じく封印されていた「不浄王の右目」ですが、この拠点も何者かの襲撃を受けていました。
京都は未遂で防げたものの油断はできません。
そこで燐たちを含む増援部隊が派遣されることになったのでした。
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燐たちが向かった滞在先は、祓魔塾に通う勝呂竜士(声:中井和哉、高木礼子)の実家の旅館。険悪な中、四六時中塾のメンバーと過ごす環境になる、その気まずさ。
ですが燐の気持ちだけではどうにもならず、青い炎への恐怖が拭えないメンバーとの、まるで合宿な日々の始まりです。
そこには竜士や塾生の志摩廉造(声:遊佐浩二)、三輪子猫丸(声:梶裕貴、小岩井ことり)に関わる人が集まっておりこの章では、彼ら京都組を中心に相関図が大きくなっていきます。
他にも女子の杜山しえみ(声:花澤香菜)や神木出雲(声:喜多村英梨)、獅郎の弟子である上一級祓魔師の霧隠シュラ(声:佐藤利奈)も一緒になって京都での日々はいろんな意味で賑やかに。
燐はそこで、サタンの力を制御すべくシュラの猛特訓も受けることになります。
他にも仲間との関係に塾生としての実践や、サタンから受け継いだ魔力の特訓など、不浄王の事件の最中でありながら全てに全力投球していく燐がいました。
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強く焼き付いているのが、燐が獅郎との間にあったことを勝呂親子に重ねて、本気でブチギレる場面です。
竜士の父、勝呂達磨(声:稲垣隆史、浦山迅、野瀬育ニ)が頭首を務める宗派、明王陀羅尼宗の内部は不浄王の目を巡り不穏な空気に満ちていました。
頭首であるがゆえに誰にも言えない秘密を抱えている達磨。
大勢が疑心暗鬼となり、その矢が達磨に向けられても、彼が口を割ることはありませんでした。
それがさらに竜士を苛立たせ、大きな亀裂を生む結果に。
そんな親子を見て「父ちゃんに謝れ!!」と間に割って入った燐。青い炎が体から出たことで明陀宗の者に正体が露呈するのも気にすることなく、彼は竜士を説得しようとします。
サタンの息子であることがバレれば、捕まることは想像に難くありません。
それでも「親父を簡単に切り捨てんじゃねえ!!!!」と、勝呂親子に同じ道を辿らせまいとする燐の叫びが胸に響いていました。
アニメ3期『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
2期から7年を経て2024年に放送。
全12話の3期です。
祓魔塾の女子、神木出雲の出自に関するストーリーが展開されていきます。
出雲がどうして人に心を許さず、誰にも自分のことを話さないのか。
そのワケが明らかに。
いつもつっけんどんな彼女の背景に動揺。
彼女の血筋とともに明らかになる、人と悪魔の狂気をはらんだ計画。
そこに巻き込まれていたのが神木家でした。
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啓明結社イルミナティの出現。
この物語にはサタンを父とするたくさんの悪魔が登場します。
人間を敵視する者、人間と手を組む者、悪魔同士でつるむ者、使い魔として人間に従う者。
様々な悪魔のいる中サタンは多くの悪魔の父であり、ゲヘナそのものの創造主でした。
そのサタンを父にもつゲヘナの最高権力者、光の王ルシフェル(声:内山昂輝)。
彼が筆頭となり、多くの人間で構成された組織がイルミナティでした。
すでに多くの犠牲者を出しながら、数年がかりで動いていた彼らの計画。
そこには神木家の娘が必要不可欠なのでした。
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またイルミナティの存在が露呈したことで、彼らの刺客が紛れていたことが発覚。
けれどこんな形で落ち着く裏切りがあるのかと。笑一風変わった裏切り者が物語を掻き回していくことになります。
その裏切り者の立ち位置が自分にとっては衝撃で。
その後も続く関係性に、未来のその人がどうなっているのかが気になっていました。
アニメ4期『青の祓魔師 雪ノ果篇』
2024年10月から放送された全12話の4期。
この章ではシュラの過去が明かされていきます。
シュラといえば、とにかくバインのボイン。
けど正十字騎士團ヴァチカン本部から日本支部に派遣された上一級祓魔師という。
それがどれだけ強いのか。
燐たちのスタート地点だった訓練生(ペイジ)から始まり、
次が候補生(エスクワイア)その上に騎士(ナイト)・竜騎士(ドラグーン)・手騎士(テイマー)・詠唱騎士(アリア)・医工騎士(ドクター)といて更にその上には、下二級・下一級・中二級・中一級・上二級・上一級とありここにシュラは位置しています。
そしてその上に名誉騎士(キャンサー)・四代騎士(アークナイト)と並び
そのトップに君臨するのが、ただ1人に与えられる称号の聖騎士(パラディン)です。
上から数えた方が早いシュラの強さは言うまでもなくでした。
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獅郎の死後、燐の監視役として派遣されたシュラですが、今では燐たちにとってとても大切な存在になっていました。
ですがシュラにも誰にも言えない秘密があり、彼女のもつ人並みはずれた強さの由縁が、先祖の代にまで遡って描かれていきます。
そこには力を求め竜神・八郎太郎大神(声:高橋英則)という超上級の八岐大蛇(ヒュドラ)と契約を交わした、ある女性の姿がありました。
ですが力を得るには、それに見合う対価を差し出さなければなりません。
シュラを縛る呪いともいうべき契約。
その秘密を知った燐と雪男は、シュラを八郎太郎大神のもとから救い出そうとするのでした。
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永い時を生きられて、とてつもない力を得ていながらもアッシャーに固執するその胸中。
それぞれの境遇や目的は別物ですが、より強い悪魔こそ顕著でした。
キービジュアルやコミック17巻のカラーページの絵が好きです。
絵を見るとストーリーの断片が浮かんできます。
この先も様々な真実、過去の悲劇などが明らかになっていきますが悪魔と人間の物語の中で、
しんしんと特有の空気感をもって描かれているのが「雪ノ果篇」でした。
拭えきれない悲しさが残っています。
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またこの記事では物語の超重要人物、メフィスト・フェレス(声:神谷浩史)のことにまったく触れてきませんでした。
正十字学園の理事長であり、正十字騎士團日本支部長、さらには祓魔塾の塾長でもあるメフィスト。
なぜそんな重要人物のことに触れなかったのかというと、この作品を読んだ時にはすでに同名の悪魔が登場するゲーテの戯曲『ファウスト』を読もうと思っていたからでした。
そこを『魔法少女まどか☆マギカ』を観たことで、さらに背中を押された気持ちに。
どうしてメフィストの名前がつけられたのかと、謎めいた彼のことをどこまでも考えてしまいそうだったので、触れずにいました。
メフィストの名前をもつ悪魔であることで、青エクの物語の中に確かなメフィストの立ち位置があっても、少し怪しげな風が吹いただけで自分の中で面白いくらいにグラつくものがありました。
そうした怪しさを抜けて明らかになっていくメフィストの正体。
アニメは2025年1月4日から「終夜篇」が始まります。
シュラの過去に次いで、正十字騎士團が隠していた秘密が暴かれていった「雪ノ果篇」。
「終夜篇」ではついに燐と雪男の両親や”青い夜”の真実へと進んでいきます。
燐と雪男の知らないサタンと人間の女性ユリ・エギン(声:林原めぐみ)の物語。
雪男がイルミナティの側へと行ってしまった今、両親の真実を燐はどう受け止めるのか。
すべての始まりが描かれている章です。
『青の祓魔師』コミックス
『青の祓魔師』公式サイトリンク一覧
■マンガ
『青の祓魔師』 加藤和恵 – ジャンプSQ. – 集英社
■アニメ
TVアニメ「青の祓魔師」公式サイト
TVアニメ「青の祓魔師 京都不浄王篇」公式サイト
TVアニメ『青の祓魔師 島根啓明結社篇』
TVアニメ『青の祓魔師 雪ノ果篇』
TVアニメ『青の祓魔師 終夜篇』
■劇場版
『青の祓魔師 劇場版』公式サイト
ブログでは触れていないですが、アニメ1期に続くオリジナルストーリーです。