のほりひがし。 東の感想ブログ

『ゴールデンカムイ』22巻 鶴見たちとの命懸けの鬼ごっこ【漫画アニメ・あらすじ感想】

マンガ・アニメ感想

今回はマンガ『ゴールデンカムイ』22巻についてです。

作者は野田サトルさん。
2014年から週刊ヤングジャンプにて
連載され2022年4月に完結。

22巻は、前半がメインです。
後半は欲や、間違った教えに
狂わされてしまった人の話でした。
ブログには書いていませんが
中間に、白クマ狩りのお話もありました。

ネタバレを含んでいるので
それでも良い人だけ進んでください。

あらすじ

主人公の杉元と
アイヌの少女アシㇼパは
金塊を手に入れるべく旅を続けていました。

杉元たちのオフモード中に
土方と鶴見の間では
第七師団の有古を使って
卑劣な争いが繰り広げられていました。

結果、偽物の刺青人皮が
土方の元に揃います。
これで紛らわしいものが無くなり
本物だけが、散らばっている状態へと
戻ったのでした。

現状は、鶴見が
杉元たちの分も全て手に入れ
圧倒的に有利な状態です。

そして金塊への重要な手がかりが
アシㇼパの中にだけある今
鶴見にとって彼女は
なんとしても捕獲しておきたい人物でした。

そこでようやく初対面するも、彼女は逃走。
不意打ちをくらった彼は
すぐさま追いかけることになります。
その様子が描かれていました。

 

登場人物

■杉元 佐一(すぎもと さいち)

前巻のお休みモードから一変
不死身の杉元、発動です。

■アシㇼパ

救世主の予感しかしないアイヌの女の子。
オンとオフで、話すことが
違いすぎてすごい。笑

■白石 由竹(しらいし よしたけ)

杉元やアシㇼパと一緒に
彼がいると、一気に賑やかになって好きです。

■谷垣 源次郎(たにがき げんじろう)

しばしお別れだぜ、谷垣ちゃん。。。(白石風)

■鶴見 篤四郎(つるみ とくしろう)

戦いをゲームのように捉えてそうな。
そう見えるくらいに、軽やかに見える時があります。

■月島 基(つきしま はじめ)

感情があまり無いようでいて
鶴見よりも安心できる面が
まだ残っている人でした。

■鯉登 音之進(こいと おとのしん)

戦場に不向きな人に
見えることがあります。
敵対した相手が
一緒に過ごしたことがある人なら尚更。
この巻では、だいぶ痛い思いをすることに。
彼には、月島のような人が
必要に感じました。

■宇佐美 時重(うさみ ときしげ)

登場する場面が増えて
だいぶ馴染んできた人。
口元に彫られている、2人の棒人間。
初対面で、突っ込まずには
いられないところ。
なのに誰も突っ込まないところ。キャンムーイ。

■尾形 百之助(おがた ひゃくのすけ)

病人のはずなのに
普通に出てくる彼は
よっぽど出演したいのかなと思った。

■松田 平太(まつだ へいた)
有名な砂金掘り師。
小柄で、ぎょろっとした目が
特徴的な人物。
彼を見ていると
だいぶ不安になることがあります。

 

感想

鶴見にも予測できなかったアシㇼパの逃走(アニメ4期7話)


『ゴールデンカムイ』アニメ公式サイトより出典

彼女が逃げてくれたことで
だいぶスッキリしている東です。

鶴見 篤四郎(つるみ とくしろう)
との初めての接触で
いきなり逃走したアシㇼパ

ただ、その場から
逃げたかったのではなく
彼女は、出港直前の連絡船へ向かっていました。

連絡船は、乗客や荷物を乗せて
海峡の間などを行き来する船のこと。

けどそこに辿り着くまでに
トラブルが発生。
逃走した杉元 佐一
(すぎもと さいち)
とアシㇼパを
あの場にいた全員が、追いかけることに。
鶴見たち第七師団と
白石 由竹(しらいし よしたけ)
谷垣 源次郎(たにがき げんじろう)らのグループに分かれていました。

真顔で猛ダッシュの鶴見。
そんな彼に追いかけられたら
寿命が縮まりそうです。
アシㇼパの行動は
彼も予想していなかったんだと思いました。

建物の多い街の中で
一番に会った宇佐美は
2人の連携プレイでクリア。
問題は次でした。
会ったのは月島 基
(つきしま はじめ)

続いて鯉登 音之進(こいと おとのしん)も。

最初に、月島の銃弾が杉元に命中。
けどその後、他の隊員の
弾も受けることになります。
月島に迷いはありませんでした。
青ざめながら
駆け寄るアシㇼパ。
そんな彼女のそばに
行った鯉登は
こうなることは
分かりきっていただろうと
説得するように、話しかけるのでした。

その時の鯉登は
無防備すぎてました。
目の前で倒れているのが
不死身の杉元であることを
すっかり忘れてしまっていたのです。

一瞬のうちに杉元は起き上がり
気づいた時には、鯉登の胸に
短刀が突き刺さっていました。

結構勢いよく読み進めていたのが
え?って止まった瞬間だった。
杉元の体が戦っているけど
彼じゃないような。
大泊の街が、急に
戦場と化した気がしました。

そして鶴見は以前に
団子の串を杉元の頬に
刺したことがあるけど
この時の杉元は、彼の部下の頬に
短刀をぶっ刺すという。。。
刺された瞬間は
何も感じないんだろうな。
後からくるんだろうなぁって
ヒイヒイしてます。

その後も止まらない杉元に
飛びつくアシㇼパ。
彼女を死なせてはいけないと
発砲はストップ。
それを察知したのか、もうその場に
戦意のある人がいないと思ったのか
大暴れしていた杉元は
アシㇼパを背負ったまま
そこからまた逃走します。

倒れている鯉登の為に
月島は追うのを止め
銃を下ろすのでした。
ところがその場を
勢いよく通り過ぎていく菊田 杢太郎 (きくた もくたろう)。え。
その後には鶴見が
変にゆっくりと
後に続いていました。
目だけこちらに向けて
鯉登たちの横を、何も言わずに
通り過ぎていく鶴見。

いつものように
ユーモアを振りまく彼はおらず。
その様子に、スパイだった頃の彼を
思い出していました。
彼らの間に、今までにない
冷たい空気が生まれていました。

そして白石たち。
白石は、アシㇼパが
船に向かったことがわかっていました。
連絡船の話を、彼女と一緒に
住民から聞いていたからです。
そこで彼と谷垣は
船のある港へとダッシュで向かうことに。

その頃、傷の手当をしていた
杉元らのところには
ロシアの狙撃手が合流。
彼が馬を連れてきたおかげで
2人は命拾いしました。
言葉はわからなくても
逃げたアシㇼパから、察したようです。
彼は、鶴見たちにバレないよう
物陰に隠れて、様子を見ていたのでした。

そして一気に連絡船へと、近づいた3人。
途中で、船に向かっていた
白石たちとも会うことができました。
白石だけは、馬に乗れたのですが
谷垣には、フチ(アシㇼパの祖母)への伝言を頼むことに。
不吉な夢を見て、元気をなくしていたフチへ
アシㇼパはフチと、また会う夢を見たと
伝えるよう、お願いしたのです。
それで少しでも
元気になってもらいたかったのと
インカㇻマッ
鶴見と繋がりがあることも
理由の1つでした。
谷垣は鶴見に弱みを
握られているような
立場にあるため、ここまでに。

その後、1人落ち込みながら
船とは反対へ向かう谷垣。
彼を見かけた菊田は、警戒心が無く
まだ隊員として、心を開いている様子でした。
けど谷垣はもう
第七師団につく気はなく
自分はマタギの谷垣だと宣言し
その場を後にします。

彼とはここで、暫くお別れです。
また新しい役目を担った彼は
村へ帰っていくのでした。

そして無事、船に着いた4人。
しかしで、杉元が歩いた氷の上には
血痕が残っていました。
見つけた隊員が
船を止めようとします。
それを船から見ていたヴァシリが
撃ち殺し、その場には遺体が残ることに。

響いた銃声で
方角を掴んだ鶴見たちは、港へ到着。
氷の上には、死んだ隊員。
その先には出港した船と
そばに馬が一頭。
状況を理解した彼は、海軍である
鯉登パパの力を使い
待機させていた彼の、雷型駆逐艦で海へと出ます。

こうして一気に、距離を詰め
民間人を乗せているにもかかわらず
いきなり砲撃してきたのでした。

アシㇼパがいる限り
船を沈める気はないと見ている杉元。
なんとか逃げきれないかと
作戦を立てるのですが、やはり連絡船。
駆逐艦との戦いは不利でした。

そして彼らは、船を降りることにします。
船内にある白い布を集め
それを被って流氷の上を
逃げ切れ作戦へと変更。
真っ白なもので同化した彼らは
上手く氷に馴染めていたようでした。
鶴見たちにバレず
なんとか逃げきることに成功します。

連絡船に追いつき
船内を探すもアシㇼパは見つからず。
隊員が氷の上に降りて
追跡しようとしたのですが
狙撃手がいたため
鶴見はそれを止めることに。
白い場所で、軍服を着た彼らは
良い標的になることが、分かりきっていました。

ここで一時休戦です。
狙撃手がいなかったら
もっと酷い展開があったのかもと思うと、感謝なのでした。


『ゴールデンカムイ』アニメ公式サイトより出典

一気に気が抜け、白い塊になって
アハハしてた一行は、なんだか可愛かった。
杉元の体は大丈夫なの?って思ったけど。笑
水の中で遊ぶクリオネの話題で
キャピキャピするアシㇼパたちでした。
クリオネは臭いらしい。

真面目な話しもあった。
アシㇼパが逃げたことに対して
白石は大賛成でした。
でなきゃキロランケが
何の為に死んだのか
分からなくなってしまうから。

また白石は、月島と鯉登の話を
ちゃんと杉元に伝えていたのでした。
鶴見が金塊で、政権転覆と満州進出を
考えているのだとすれば、
金塊を彼らに渡すのは、避けるべきことなのです。

アイヌのことなんて、考えちゃいない。

そして、日本に来たキロランケとウイルクは
過去に何かが、あったようでした。
それで2人は別行動をとるように。

その直後、日露戦争が始まります。
キロランケは日本にいながら
自分にできる方法で
帝政ロシアと戦い続けることを、選んだのでした。

アシㇼパには、人を殺すことを
避けたい思いがあります。
キロランケとは違う方法を、探していました。
けどそれは、戦いで勝敗を決めることより
遥かに困難であり、命を削るものです。

それでも彼女は
まだその道を諦めずに、進んでいくことになります。

一方、鶴見たちはというと
どうすればアシㇼパを従わせることが
できるのかを考えていました。
宇佐美は新聞で、フチの死亡広告を
出すのはどうかと言います。
それに対し菊田は、罪のない彼女を
見せしめで殺すのは反対だと。

そこで、本当に
危害を加えなくても
鶴見側の意図は十分伝わるという
考えに至ったのでした。
また嫌な予感が。。。

鯉登を、安全な所へ
連れて行った月島も
単独行動をしていました。

流氷の上に、置き去りの死体を
運ぼうとしていたのです。
しかし、被っていたコートを
取ってみれば、なんと死体は
軍服を脱がされた姿でした。
誰がこんなことをと、漏らせば
月島を、死体の所へ案内した住民が、教えてくれました。

アシㇼパ逃走の
どこから見ていたのか
尾形 百之助
(おがた ひゃくのすけ)が
ここに来ていたのです。

そして死体が、どの距離から
撃たれたのかを
気にしていたようでした。
服や銃、靴なども奪い
その後、彼は街で聞き込みを。
アシㇼパたちがいた宿をあて
詳しく聞くことに成功します。
鶴見から逃げたことを
知った尾形のニヤリ顔。
彼にとって、良い展開になっているのだと思いました。

その後、彼らが乗っていた
連絡船の船長に
獲ってきたボウダラを差し出し
乗せてもらえるよう交渉。
軍服で、連絡船に乗り込んだ尾形でした。

アシㇼパは、まだ誰にも
暗号のヒントは、伝えていません。

キロランケが死ぬ間際
杉元に何を話していたのか
聞かれたけど、口をつぐんだ彼女。
暗号の解き方を知れば
杉元は1人で金塊探しに
行ってしまうんじゃと思うからでした。

そして、またたくさんの人を殺し
傷だらけになってくるんだろうと。
そこで彼女は、覚悟を決めることにします。

鶴見たちは、アシㇼパを殺すことができません。
なので自分が、杉元の盾になること
そして、いざという時には
杉元の知る地獄に、一緒に落ちようと。

人を自分の手にかけることを
ずっと避けていた彼女でしたが
そうも言っていられないところに
来ているのは、彼女もわかっていました。
物語もだいぶ進んできたのを感じます。
覚悟を決めたアシㇼパが
鶴見が仕掛けてくるであろう脅しに、どう出るのか。。。

 

自分の中にヒグマを飼った男(アニメ4期8話)


『ゴールデンカムイ』アニメ公式サイトより出典

流氷の上を歩き続け
みんなのテンションも
可笑しくなってきた頃
目の前にアイヌの小さな船が。

それに乗せてもらい
無事北海道へと、一行は到着できたのでした。
その後、彼らは村の周辺で
起きていたヒグマの事件に
巻き込まれることになります。

アイヌの村に到着後
まず話し合ったのは
今後のことでした。
自分たちだけで
金塊を見つけられるのか。
今の彼らは、刺青人皮を
鶴見に渡していた為
何も持っていない状態でした。

そこで、杉元が考えた作戦は
土方と鶴見たちが
争うよう仕向けて
全て奪うというものでした。

けどまずは資金の調達。
鯉登が暫く出してくれていたので
今は、自分たちで
稼がなければならないのでした。
その鯉登を刺した杉元。。。
のおおお。。。

何かお金儲けの話は無いかと
村人に尋ねることに。
その人は離れた村の人から
ヒグマの退治を頼まれていたようでした。

そのヒグマは、去年から何人も
人を殺し続けているのだとか。
しかも被害者の全員が
川で砂金を採っていた人なのでした。
その川では最近、砂金で日に50円
(今でいう100万円)も
稼いだ人物がいることも話題に。

ヒグマ狩りの時は
乗り気じゃなかった杉元たち。
彼らの目の色が、急に変わった瞬間だった。笑
ということでガッポガッポする為に
いざ、その雨竜川(うりゅうがわ)へ。

杉元たちが着いた頃
事件は既に起きていました。
その有名な砂金掘り師が
崖から落ちそうになっていたところです。
助けてくれた杉元たちに
すっかり心を開いた彼の名は
松田 平太(まつだ へいた)
けど駆けつけた家族
(父・兄・弟・兄嫁)の中で
兄は警戒心MAXでした。
平太は小さくて
ギョロっとした目が特徴的です。
急に叫び出したり
子供のようになったり。
不安定な様子と
彼の目にゾワゾワと。
けど兄に反対されながらも
恩人だからと、砂金の採り方を
教えてくれる、優しい面もありました。

砂金には、黄金色の
「アカ」と呼ばれるものと
砂白金の「ハク」があります。
ハクは今まで
捨てられていたのですが
日露戦争後に価値が爆上がり。
万年筆の先端部分にも
使われているものです。
万年筆の人気が出たのと一緒に
ハクにも価値がつくように。
それまで北海道の、色んな川に
捨てられていたので、川はお宝探しに
ピッタリの場所だったのです。

熱弁する平太に、感化される杉元と白石。
これからは狩りよりも
砂金探しに精が出そうな。

その直後、平太が離れた場所に
ヒグマを発見。
奥からこちらを見ている姿が
日に日に近づいていることに
怯えきった様子でした。
けど家族や杉元たち
アシㇼパにも見つけることはできず
そのまま姿を消してしまいます。
たくさんのヒグマを知っている彼女は
既に、違和感を感じていたようでした。

そして、ヒグマのいた場所では
平太の父が餌食に。
アシㇼパの違和感が
また大きくなっていきます。
それは、頭巾ちゃん(狙撃手)が描いていた
ミソサザイという小鳥にありました。
チャクチャクカムイとも呼ばれる
その小鳥は、熊がそばにいたら
チャクチャク鳴いて
居場所へ案内するらしいのです。
けど2人の目の前にいた
その小鳥は、静かにそこにいるだけでした。

その間も、杉元たちは砂金掘りに夢中。
そんな中でアシㇼパは平太に
何日前から、うろつかれているのかを尋ねることに。
そして返ってきた言葉は
何年も前から、というものでした。

最初アシㇼパたちに
ここを教えてくれた人も
人が殺されているのは、去年からだったと。
変な空気の中、話は進んでいくのでした。


『ゴールデンカムイ』アニメ公式サイトより出典

少し脱線するけど
いつの間にか、狙撃手に愛称がついていました。
いつも頭巾を被っているからなのか
名前は頭巾ちゃんに。

自分もこれから、そうしようと思います。

で、その頭巾ちゃんのターンに。
平太の兄嫁に、自画像を描いてほしいと
頼まれるのでした。
テントの中へと
2人で入っていきます。え
そして目の前に出された
裸体を描き始めるも
相手は何かを見つけ様子が急変。
何を見つけ、そして彼はどんな絵を描いていたのか。
頭巾ちゃんは話すことができません。
けど彼が1番に
そこで起きていることを
把握した人なのでした。

そこへ平太の兄が
キレながら入ってきて
彼女を外へ連れ出します。
そのまま2人の世界に入っていくところを
平太が覗いているっていう。
最高に見たくない絵があった。笑

その後は兄が、嫉妬からなのか
頭巾ちゃんが描いた絵に
原因があるのか
静かな彼を、罠のあるところへ誘導し
殺そうとしてきます。

そこでアシㇼパが、飛んできた毒矢から
彼を守ることに。
誰が作った仕掛けなのかは
分かっていなかったけど
ヒグマが本当はいないことだけは
アシㇼパも、なんとなく気づいていたのでした。

ここからの平太は
何かに取り憑かれているみたいで、ゾワゾワした。

杉元たちのいる場所へ
戻ってきたアシㇼパ。
そのそばでは、木の影から
見えるヒグマの体が。
どう見てもそれはヒグマで。
そして、平太の父と一緒に弟までもが
無惨な姿で、奥に横たわっていました。
平太は怯え、発狂するも
杉元たちには、死体が見つけられず。
そしてヒグマの足跡も
どこにも見当たらないのです。

何がどうなっているのやら。
考えることを放棄し杉元は
連絡船から降りた後に殺した
白クマのことで、神様が
怒っているんだと繰り返します。

杉元が、立派な毛並みの白クマに何をしたのか。
持っていた銃を
白クマのお尻の穴に入れて、そのま発砲。
自分の体から、ス〜っと何かが
抜けていく感じがしてた。笑

話がまた逸れちゃったけど
アシㇼパは、やっぱり新しい人だと思いました。
アイヌは信仰心が強いはずだけ
彼女はその中で、
わからないことを
カムイ(神様)のせいにして
考えるのをやめるのは
よくないことだと断言します。

この不可解な出来事に向き合う
みんなの気持ちが、固まった時でした。

対して、これまでとは
明らかに様子がおかしい平太。
ヒグマは彼の家族を
1人ずつ食らっていきます。
こうして弟や兄
彼gの妻までもが死んでしまい
とうとう最後の1人に。

杉元たちは、普段と変わらぬ景色を
見ていのですが
平太の周りには、身内の死体がゴロゴロと。
そして彼だけが
ヒグマに追われ続けていました。

ふざけている様子はなく
本当に怯えて、離れるように言ってきます。

杉元やアシㇼパが
戸惑っていた間に
白石は頭巾ちゃんの元へ。
ほぼ完成した絵に、描かれていたのは
体に刺青のある平太の姿でした。

彼は囚人だったのです。

今まで登場していた
家族は全員、杉元たちには
本人が口調を変えて
話しているようにしか見えていませんでした。

女性のようになったり
と思えば、急に怒り出す男性になったり。
頭巾ちゃんに
描いてもらっていた時は
まさにその女性で。
まるで一人芝居をしているような
けど彼にとっては現実で
自分が演じていることに
気づいていないのでした。

描いてもらっていた時の平太が
何かを見つけ、捨てたはずなのにと
青ざめているシーンがありました。
それは、風呂敷に包まれた
ヒグマの毛皮です。

いつも自分で背負っているのに
彼はそれに気づいていません。
彼曰く、何度も捨てたり燃やしたり
処分してもらったりしても
気がついたらまた持っているのだとか。
そして、その毛皮が膨れ上がり
平太の目の前にだけ
ヒグマが姿を現していたのでした。

杉元たちが困惑して、見ている中
平太の前には、まさに今
自分を食おうとしている
ヒグマがいました。
彼の目にだけ映っているヒグマは
平太のイメージにより
そのまま彼を殺してしまいます。
けど杉元たちから見れば
彼がヒグマの毛皮を被り
その場に倒れただけなのです。

直後、突然起き上がり
動物のようになって
杉元に襲いかかる、平太の姿が。
ヒグマになりきった彼は
杉元の腕を軽く折ってしまうほどの
凶暴さを持った人物へと、豹変していました。

場面は、死刑囚だった頃の
監獄へと変わります。
自分の中に、別の人が何人もいるんだと
話す彼がいました。

人を食べた熊は
悪い神様とみなされ
アイヌでは、ウェンカムイと呼ばれています。
ウェンカムイが、彼の頭の中にいる人を
食べていき、最後には自分が。
そうしてウェンカムイに乗っ取られ
現実の人を襲っていたのでした。

殺した人の体を、本当に食べている彼は
完全に自我を、なくしているようでした。

これを彼は、子供の頃から
何度も繰り返していたのです。
人を食べてしまった自分の体は
バラバラになって飛び散り
また最初に戻るんだそう。
生き地獄だと思いました。

そして杉元たちとの場面に戻り
まるで本物の熊を
相手にしているかのように、攻防は続きます。
片腕が、折れている杉元ですが
平太の体に、短刀を
何度も刺したのが効いたよう。

平太の自我が、出てくる隙が生まれ
彼が自分から進んで毒矢の罠に
はまりに行ったのでした。

前に頭巾ちゃんが殺されかけた
矢の飛んでくる罠は
やっぱり平太が作ったもので。
その矢が自分に刺さるよう
仕掛けの縄を、自分の意思で引いていました。

不意の出来事に驚く一同。
毒矢を首に受けた彼だけが
妙に清々しい表情で
ヒグマに勝ったと
喜びを感じていました。

平太がポロッと話し出します。
子供の頃にアイヌから聞いた
ウェンカムイの話が
怖くてたまらなかったのだそう。
そこで、自分が毎日苦労して
砂金を掘っても、すぐに散財する家族を
罰してほしいと思ったのだとか。
そしたらある日、自分以外の家族が
ヒグマに皆殺しにされてしまったのだそう。
それから、ヒグマに
ずっと怯えていた彼は
やっと終わりがきて、救われたようでした。

家族にバチを与えてほしいと願い
全員が死んでしまったこと
自分だけが生き残った罪悪感も
あったと思います。
子供の彼には辛すぎることであり
悪いヒグマの空想が
膨れ上がったのではと。
杉元たちが、ここを訪れたことは
平太にとって、奇跡のような出来事でした。

最後まで、静かに
聞いていたアシㇼパは
正しく伝えることの大切さを話します。
ウェンカムイは、罰するために
人を殺すのではないのだそう。
その人間は、好かれたから殺された
という解釈をするらしい。

本当の言い伝えとは違う
ウェンカムイが、平太の中で
育ってしまっていたのでした。

アイヌを、たくさんの人に伝えたいと
思っている彼女にとって
平太との出来事は
教訓のようにもなったのではと。
全ての人に正しく伝えることは
不可能だけど
伝える側が忘れちゃいけないことでした。

欲が人を狂わすのか
それとも砂金が人を狂わすのか。
23巻へ続きます。

 

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